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キャリアインタビュー

背中を預けられる仲間がいるから頑張れる。一貫してIT業界で活躍する『出前館』役員の仕事の哲学

「自分の人生を自分でハンドリングし、前向きに生きる女性を増やす」というビジョンを掲げるNewMe。NewMe Storyでは「自分の人生を自分でハンドリング」している女性たちにフォーカスし、インタビューを通して多様な働き方・生き方を届けていきます。 今回は、デリバリーサービス『出前館』を運営する株式会社出前館で、執行役員として活躍されている大枝千鶴さんにお話を伺いました。

  • 2010新卒で楽天株式会社に入社Web広告の営業として7年従事
  • 2017LINE株式会社へ転職LINEショッピング事業の立ち上げに参画すべく転職
  • 2020株式会社出前館へ出向出前館へ出向。コロナ禍の需要増による体制強化のため現場で奔走
  • 2021執行役員に就任・転籍会社・組織の強化を経て事業拡大の加速度を感じつつ仕事と向き合う
CONTENTS

仕事や環境に満足している最中、悔いのないキャリアを築くため転職

- まずはこれまでのご経歴を教えて下さい。 

学生時代からITや通販が好きで、2010年に新卒で楽天グループ株式会社へ入社。リンクシェアというWeb広告の営業をしていました。7年ほど勤めたのちLINE株式会社へ転職。LINEショッピングの立ち上げにセールスとして参画して、2020年にLINE社と資本業務提携強化をきっかけに、関連会社であった株式会社出前館へ出向、転籍。現在は執行役員として働いています。

- 楽天からLINEへの転職、出前館への出向・転籍はどんなきっかけだったんですか。

現職(出前館)の代表に声をかけてもらったことがきっかけです。正直、初めての転職はすごく悩みましたね。仕事も楽しいし、同期も先輩も大好きだったので辞めたくなかったんです。笑

でも当時33歳ぐらいで結婚、出産を経たタイミングで、ワークライフバランスを重視した働き方にしてもいいかもと考えていました。楽天の恵まれた環境で仕事を継続するのと、LINEの新規事業立ち上げを経験するのと、どっちが悔いなく3年後を迎えられるかなと考え抜いて転職を決意しました。

始めは手探り状態でしたが、LINEショッピングというプロダクトを生み出し育てるという1つの事業を創り上げる経験をさせて貰えたのは大きな財産です。安定した大きな会社で働きながらベンチャーとしての刺激も体験できる素晴らしい時間でした。出前館に出向したのは2020年です。元々、LINEと出前館は関連会社だったんですが、コロナ禍で需要が高まり市場が拡大して、会社として注力をするために出向をしました。半年くらいで役員の打診があり、2021年に転籍をして役員に就任しました。

目先のことに真摯に向き合いつつ、楽しむ気持ちも忘れない

ー キャリアのどこのご経験を切り取っても濃い時間を過ごされてますね。新卒の時と今で働きに対する意識って変化されていますか?

そうですね!笑 昔から働くことについては、バリキャリになりたい!社長になりたい!みたいな思いはなくて、毎日のちょっとした達成感を得ることや目の前のことを頑張りつつ楽しむことを大切にしているのであまりスタンスは変わってないですね。

特に新卒の頃は純粋に仕事が楽しくて、迷うことはありましたが、そういうものだと思って乗り越えてきたので、悩みなどはあまり感じずに過ごしてきました。でも一生懸命働いていたこともあって、肌が荒れることはありましたね。今でも時期によっては残業をしたりしっかり働くんですけど、規則正しく生活することは大切にしています。きちんとご飯を食べて、寝るようにしています。この基本を崩さないことで自然と仕事のパフォーマンスも上がるんですよね。おかげで、肌も無課金の状態です。笑

ー まさに大枝さんはご自身のキャリアをハンドリングされていますが、意識されていることはありますか?

これまでのキャリアを選択するきっかけは自分発信ではなく、外からいただいたものでしたが自分で考え抜いて判断をしてきました。声をかけてもらってしっかり調べたりヒアリングをした結果、興味が湧いて「挑戦してみよう!」と素直に思えました。決断を悩む時って選択肢がいくつかあると思うんですけど、その分岐点で、私はこう考えて選んだっていうのを自分を納得させてあげて、選んだら絶対に選ばなかった方より良かったって思い込めるぐらい頑張るしかないと思うんですよね。それと同時に、今が充実していて、楽しい事も難しい事も、夢中になって取り組めているのであればそのこと自体がとても幸せな環境だと目の前のことに向き合うようにしています。

EC業界から戦国時代のデリバリー業界へ。ビジネスチャンスをどう捉えて成長していくか

ー 素敵なお考えですね!いろいろご経験をされてきている中で1番大変だった時期っていつですか?

一番大変だったのは、出前館に出向した直後のコロナ禍ですね。もう記憶がないくらいで。笑

当時の出前館は、サービスはリリースから20年ほど経っていて、規模感も大きくてユーザー様も沢山いる状態でした。出向したてで、まだ右も左もわかっていない状況にも関わらず、コロナが流行して、飲食店様から届くこれまでの何十倍という数の加盟の申込みに対応する。嬉しいことなのですが本当に大変でしたね。

サーバーは本当にどこを触ったら壊れるか分からない、まるでハウルの動く城のような状態でしたし、組織としてもLINEからごそっと社員が異動していたこともあったので、メンバーのケアをするためにも、とにかく現場に出て理解することを徹底していましたね。

ー そうだったんですね。当時はどんなお気持ちで仕事と向き合っていたんですか?

2020年はみんなにとって忘れられない年になるだろうなと思っていました。同時に、コロナ禍も相まって、デリバリー戦国時代に突入していました。そういう意味で、事業として勝ち抜くにもこの3-5年間が勝負だと思っていたので、この事業をやりきったと自分で納得できるキャリアが欲しかったんです。将来、また何か新しい挑戦をしようと思った時に自分の自信に繋がりますし、経験値も格段に上がると感じていました。

ー ハードな環境下でも、公私共に楽しまれている印象ですが、原動力はどこからきているんですか?

性格的なところもあるかもしれませんが、目の前に整っていないものがあると、整頓したくなるんですよね。オペレーションが洗練されたり改善されると楽しく感じます。

今だと、自分たちで事業を作っているのがいいんですよね。エンジニアの方と一緒にボタン1つをとっても色や大きさとか細かいところまで一生懸命、ユーザー様にとって使いやすい仕様にするためにこだわるんです。それが使われている感動や数字が伸びて業績が伸びていくさまをみると本当に楽しいですし、やりがいを感じます。

デリバリー業界のポジションで圧倒的なトップを目指したいし、何よりも日本の中でフードデリバリーの市場自体を大きくしていくために様々な挑戦をしていきたいと思っています。

背中を預けられる仲間がいるから頑張れる。今後もIT、通販領域で好きを追求していきたい

ー 今後の展望や将来についても伺えますか。

目先は、出前館を黒字化させることですね。もともと、2-2-2年の計6年で黒字化していく計画を立てていたので、それを実現させることが目標です。背中を預けられる役員やメンバーと一緒に少しずつ土台を整えてきて、「今月はあとマイナス◯万円」とか数字を見ると事業が成長しているなと嬉しくなって、やり切るぞ!と思えます。

将来的には、これまでの経験と大きな文脈では一緒なんですけど、やっぱり通販が好きなので、スモールビジネスで越境ECをやってみたいと思っています。

それこそ楽天とか大きなモールはいくつかあるんですけど、小さなお店が通販をするプラットフォームの勝者がまだ決まってないんですよね。なので、私が興味のある伝統工芸品など日本の細やかで繊細な技術を海外に展開できるといいなと考えています。

伝統的な器や美しい着物が後継者不足などによって廃業追いやられている現実があって。。もちろん様々な要因があると思うんですが、きちんと収益を上げられる仕組みををつくって、その業界に貢献できたらいいなと思います。

ー 一歩をなかなか踏み出せない方にアドバイスをいただけますか。

半年とか1年のスパンでキャリアについて考えることをオススメします。

世の中的にも1社でずっと働かずに転職することが主流になってきてますよね。今の会社のメンバーと3年、5年と働いていったときに自分は何を得たいのか。というのをちょっと考えると、ここでこういう実績作ったら、将来、「実はこんな実績がありまして‥。」って話せそう!というような現実的なところから考えてみるといいと思います。

もう1つは、転職をするかしないかのように迷っていることに対して「今のままでいいや」と何も選択をしないよりも、何においても2本の線があるように考えて、どっちがいいかなと考えて選択していくのがいいと思います。挑戦を続けていくことで、1年後には110%、120%の自分になれるかもしれないですよね。きっと挑戦した自分の方が好きって思えるんじゃないですかね。

ー 最後に、仕事に欠かせないアイテムはありますか?

坂東玉三郎さんの大ファンで、仕事の合間に手帳の間に忍ばせた写真を見ては美しさにため息をついています。休日は歌舞伎を鑑賞することもしばしば。普段仕事と向き合っている分、現実ではない歌舞伎の世界にどっぷり浸かることが息抜きにもなっています。

【プロフィール】
大枝千鶴(おおえだちづる)
2010年株式会社楽天に新卒入社。Web広告の営業として従事した後、LINE株式会社へ転職。LINEショッピングの立ち上げに参画。2020年に株式会社出前館へ出向。2021年に転籍、役員に就任。現在は新規事業として広告事業の立ち上げに従事。

この記事は2024年6月時点の内容になります。

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