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キャリアインタビュー

留学、起業、パリ移住、国際結婚。努力を重ね、しなやかに夢を叶える秘訣

「自分の人生を自分でハンドリングし、前向きに生きる女性を増やす」というビジョンを掲げるNewMe。NewMe Storyでは「自分の人生を自分でハンドリング」している女性たちにフォーカスし、インタビューを通して多様な働き方・生き方を届けていきます。 今回は、会社員を経験をした後、美容を仕事にしたいという思いを胸に留学。その後、曽祖母の言葉から着想を得て、熊野筆のメイクアップブラシブランドSUI TOKYOを創業。現在はパリに移住し、子育てをしながら日本とフランスの両国でブランドを展開する有賀友美さんにお話を伺いました。

  • 2012外資系ホテルに新卒入社語学力を活かした仕事がしたいと入社したものの、学生時代から抱いていた美容業界への憧れを再認識する
  • 2014NYでトリプルスクール語学学校、メイクアップスクール、ニューヨークのファッション工科大学の夜間学校に2年間通う
  • 2016外資系会社に就職役員秘書として入社し、会社の業務のフローや仕組み作りを学ぶ
  • 2017SUI TOKYOを起業曽祖父の時代から続く家業。書道筆の技術・質・歴史を活かしたメイクアップブラシブランドをスタート
CONTENTS

自分の好きな美容を仕事にするためにNYでトリプルスクール。祖母の夢を継いで創業を決意

ー 起業する前の経歴について教えていただけますか。

学生時代に海外留学で身に付けた語学力を活かして仕事がしたいと思い、新卒では外資系ホテルに就職をしました。しかし、入社し働いてるうちに学生の頃から抱いていた美容が好きという想いを再認識し、ホテルを退社。ゼロから美容について学びたいと考えNYに留学することを決意しました。朝から17時までは語学学校に通い、夜間は18時から22時までメイクアップスクール、そしてニューヨークファッション工科大学の夜間学校で色彩学、メイクアップなどに活かせるカラー学など学び、トリプルスクールをしました。2年間かなり濃密に学び、新たな事を始めたいと思い帰国しました。

ー そこからどのようにSUI TOKYOの創業に至るのですか?

家業であり曽祖父が立ち上げた書道筆ブランドが起点となっています。ある日母と話していた時に祖母がその筆の技術を使ってメイクアップブラシを作りたいという夢があったと知りました。メイクアップブラシであれば、学んできた美容の知識を生かして自分にできるのではないかと感じ、すぐにでも会社を立ち上げたかったのですが、まずは一般的な会社の仕組みを再度学び直すため、外資系会社の役員秘書として1年間勤めました。そして、退職後にSUI TOKYOを創業しました。

差別化を図るため創業して1ヶ月でパリ移住。パリジェンヌの嗜好を理解し、ブランドのファンを獲得

ー 創業してすぐにパリに移住された経緯は何だったのですか?

当時、熊野筆のメイクアップブラシは様々なメーカーから既にたくさん出ていました。どのようにして差別化しようかと考えた時に、海外から始まった日本発祥の熊野筆のメイクアップブラシはなかったため「やってみよう!」と、創業して1ヶ月後にはパリに引っ越してきました。NYへの留学の背景も含め、なぜ数ある都市の中でパリだったかというと、ファッションウィークがあったからです。世界中から有名なメイクアップアーティストが集まってくる時にギフティングなどをすれば、多くの方に見てもらえる機会が多いのではないかと考えたからです。また、フランス人は親日の方が多いというのも決め手の一つでした。

ー 実際、パリに来てみてどうでしたか?

まずフランス語を話せなかったので最初はそこが一番苦労しました。パリに引っ越してきたのに、フランス語が話せないと、やっぱり何も始まらないですよね(笑)語学学校に通って、ビジネスで使えるレベルまで習得できましたが、会社の概念やブランドイメージなどを理解して頂けるように説明できるようになったのは本当にここ数年の話ですね。

実際に来てみて気付いたことは、フランス人は物持ちが良く、お財布の紐が硬い方が多いということです。そういった方たちが好むものは、素材にこだわった良質な物や、歴史が長く信頼感があり、ストーリーを持ったブランドの物です。SUI TOKYOのメイクアップブラシは曽祖父の創業した142年の歴史がある会社の書道筆と同じ工程で作っているというストーリーをお話しすると「あら素敵!」と気に入って頂き、リピーターになってくださる方が多いですね。

夢を言葉にして、出会えた人とのご縁によって掴んだチャンス。曽祖母のように力強く道を切り拓く女性でありたい

ー 自分の夢や理想を現実にするために意識されていることは何ですか?

目標や夢を口に出して周りに伝えることです。そうすることでチャンスやご縁に繋がると思います。私がパリに移住してきた時の一つ目の目標は「ボンマルシェ(パリの老舗デパート)でポップアップショップをする!」でした。ある日母がパリに滞在していた時に、ネイルを直しに立ち寄ったボンマルシェの中にあるネイルサロンで、担当してくれていたネイリストさんにその夢を語ると、なんとそのサロンのオーナーさんがボンマルシェのバイヤーさんとお知り合いで紹介してくださったんです!そうしてプレゼンするチャンスを頂きました。この時はフランス語もまだ習得できていなかったものの、しっかり熱量を持って商品やブランドのことをお伝えしたのですが、残念ながら出店には繋がりませんでした。その後、別の経路でポップアップショップ出店のチャンスのお話をいただいた時に、バイヤーさんが私の熱意を覚えてくださっていて、遂に夢の出店が決まったという経験があります。高すぎる目標であったとしてもポジティブに、時には、楽観的になって気持ちをリラックスし、笑顔で人とのご縁を大切にする事を心がけています。

ー 現在働く環境の魅力はどのあたりでしょうか?

パリに移住して良かったと感じていることの一つでもあるのですが、フランスは完全に男女平等なんです。私の家庭でも、家事や育児をフランス人のパートナーが当たり前のこととして私以上にやってくれるので、その分仕事に力を注げます。パートナーだけでなく、時には第三者の手を借りる文化が社会全体であることや、その仕組みが整っているということも働きやすい環境の要因だと感じています。例えば保育園の送り迎えはシッターさんにお願いしている家庭も多くあります。その分、社会にどのように関わり、自分の仕事と向き合っていくのかという部分はみなさん大切にしていて、私も上手く日々のやりくりができている気がします。

ー ご自身が日々全力で頑張っていける理由は?

曽祖母のような力強く時代を切り拓く女性でありたいからです。曽祖母のすいは社名の由来でもあります。曽祖母は日本の書道という文化が無くなってしまいそうな戦後期に、政治家の方々と共に書道文化が無くならないように尽力しました。女性が男性と同等に社会で活躍する方が少なかった時代に日本特有の文化を後世に残すために精力的に活動した曽祖母を尊敬しています。そして、SUI TOKYOの事業はすいの娘である祖母の夢でもあったので、祖母が喜んでくれている姿が私の原動力になっています。

ー 仕事に欠かせないアイテムはありますか?

ポップアップをする時は濃いリップをつけるようにしています。そうすることで自分の気持ちもキュッと引き締まりますし、リップが綺麗ねとお客様に褒めていただいてリップブラシの販売に繋がることもよくあります。パリジェンヌは赤リップがお好きな方が多いのです!

【プロフィール】
有賀 友美(ありがともみ)
2012年外資系ホテルに新卒入社。2014年より2年間、NYで語学学校、メイクアップスクール、ニューヨークファッション工科大学に通いリスキリング。帰国後の2016年に外資系企業に役員秘書として入社。会社の仕組みを学ぶ。2017年熊野筆のメイクアップブラシブランドSUI TOKYOを創業。フランスに移住し、日本とフランスの両国でプロモーション販売を行う。国際結婚し、現在は1児の母として子育て中。

この記事は2024年8月時点の内容になります。

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