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キャリアインタビュー

育休中に海外MBAへチャレンジ。次の挑戦はグローバルなキャリア構築

「自分の人生を自分でハンドリングし、前向きに生きる女性を増やす」というビジョンを掲げるNewMe。NewMe Storyでは「自分の人生を自分でハンドリング」している女性たちにフォーカスし、インタビューを通して多様な働き方・生き方を届けていきます。 今回は、シンガポールで外資系IT企業のマネージャーとして日本とアジアのマーケットを担当する金澤結さんにお話を伺いました。

  • 2010サイバーエージェント入社性別、年齢関係なく活躍できる会社を軸に就職活動する中、サイバーエージェントで働く人々に惹かれ入社
  • 2016ウォルトディズニーに転職産後もバリバリ働くかっこいいママ達に出会い初めての転職を決意。ウォルトディズニージャパンに転職
  • 2019海外のMBA取得育休中に海外MBAへのチャレンジを決意。世界中の仲間から刺激を受ける日々が人生のターニングポイントに
  • 2021外資系IT企業に転職MBAの学びを活かすべく外資IT企業に。グローバルなチームで働くことを実現できる会社に転職
CONTENTS

新卒時代は若手でも活躍出来る環境に身を置き、背伸びしながらのチャレンジの積み重ねで大きな成長を実感

新卒で株式会社サイバーエージェントに入社して、5年9ヶ月勤務しました。その後、ウォルト・ディズニー・ジャパンに転職し、結婚、出産を経験しました。育休期間中には、スペインのIEビジネススクールに入学し、育休復帰後には仕事とMBAを同時並行し、MBAを取得しました。その後、外資系IT企業に転職し、日本とAPACのマーケットを担当し、昨年、シンガポールに転籍しました。2024年9月からは新しい会社に転職し、日本とアジアのチームをリードしていきます。

ー 新卒でサイバーエージェントに入社を決意されたのはどのような理由だったのですか?

就活のときの軸として大事にしていたのが、年齢・性別関係なく機会が与えられる会社がどうかという点でした。また、サイバーエージェントの事業がどんどん拡大する中、この先の展開が面白そうだな、色々な変化とチャレンジに出会えそうだなと思い、入社を決めました。人事の方をはじめ、お会いした先輩たちの仕事への向き合い方、情熱に純粋に心惹かれたということも大きかったです。

ー 入社後はどのようなお仕事をされていたのですか?

経営本部に所属して、その中で法務、経理、経営管理の3部署を経験しました。新入社員の頃から海外の投資先にデューデリジェンスをしに行くなど、どんどんチャンスを頂き、とても良い経験になりました。一方で、同じ部署で働く仲間は、自分よりはるかに経験があり仕事のできる方々。同じような成果を出すのはハードでした。なので、先輩の何倍も時間を投資したり、自分の強み、差別化できる点はなんだろう?と常に考えながら、ハードルの高い仕事でも自分の存在意義をしっかり生み出せるよう意識していました。

ー 自分の軸をしっかり持ち続ける秘訣は?

毎年欠かさず、仕事の目標、プライベートの目標、それ以外の目標に分けて設定しています。プライベートの目標は、痩せる、彼氏を作る、とかの時も(笑)そうすることで日々仕事で忙殺されたり、疲れて面倒になったりする時も、自分の大切なものを見失わないでいれたのかもしれません。例えば、監査役になって一つの子会社を自分で任せてもらえるようになるとか、経営者の人から指名で仕事もらえるようになるとか、実現できる範囲で、より具体的なことを目標にすることがおすすめです。

仕事、育児とMBA取得の両立。家庭も仕事も「権利と責任はセット」を意識して乗り越えた1年半

ー 転職活動の際に、ウォルト・ディズニー・ジャパンを受けた理由は何だったのでしょうか?

1つ目の理由は、30代になる前に一度大企業の仕組みを学び、自分のこれまでの学びを血肉化したかったから。2つ目は、働き方です。どこかのタイミングで結婚、出産も経験してみたいという気持ちがあり、同じような経験をされている女性が多くいてサポート体制もある会社はとても魅力的でした

ー 実際に入社されていかがでしたか?

一番衝撃を受けたのは、仕事の進め方の違いでした。サイバーエージェントではプロジェクトを推進する速度が早い分、多少の失敗には寛容なところもありました。ディズニーではスピード感を持って150%の精度で仕事することが常に求められました。特に私の当時の上司は、圧倒的に仕事ができる方で、自分に対しても部下に対してもとても厳しかったんです。夜、オフィスで悔しくて涙したこともありましたが、その上司と働けたからこそかなり人間としても成長できましたし、その経験は私の財産になっています。

逆に、サイバーエージェントと似ているなと思うところは男女分け隔てなくフラットなところです。女性も多く、出産・子育てをしながら仕事復帰することが当然のことで、ママだから、パパだから、できないことも変に優先されることもなく、本当にフラットでした。女性の管理職も多いので、男性もそういう女性をリスペクトしています。

ー ウォルト・ディズニー・ジャパン在籍中にMBAを取得したのはどういう経緯だったのですか?

妊娠し、今後のキャリアを考えた時に、隣で同じ歳の独身の仲間がどんどんキャリアアップしていく中で、自分はどうなるんだろう?と漠然とした不安がありました。悩んでいても仕方がないので出産後、自分がより自信を持てるために新たな挑戦をしようと決めました。その背景には、「女性が当たり前に活躍できる世の中にならないといけない」という父の言葉がありました。父は商社で働いており、総合職の女性が活躍していく時代の移り変わりを見てきて、働く女性を心から応援していました。その姿を横で見ていて、自分も頑張らなければ!と思うようになりました。そんな中、新卒の時から父に勧められていたMBAに興味を持ち、リサーチを始めました。素晴らしい卒業生との出会い、そしてレベルの高い授業への評判から、MBAのランキングでも常に高いランキングを取ってるスペインのIEビジネススクールへのチャレンジを決めました。新生児を抱えながら受験勉強を頑張る私を見て、夫も覚悟を決めてくれたようです。1年半は家族全員で本当に大変だったのですが、やると決めたことは仕事でも家庭生活でもやり切ると決めて、家庭生活がうまく回る仕組みをとにかく考え、自分だけのものではなく、”家族全員で取得したMBA”だと感じています

ー 卒業されて、変わったことは何ですか?

素晴らしい学びや人との出会いで価値観がかなりアップデートされました。さらに、仕事と育児、MBAの勉強を同時並行してやり切った自分の成功体験は今の私を支えてくれています。もともと自己肯定感がすごく高いタイプではなかったので、よりその変化を実感しました。1月に出産して、入学試験は5月。子供の夜泣き対応をしながら、英語の文献を読んだり、試験勉強するのは本当に大変でした。保活や復職の準備、家事なども合ったので、所々当時の記憶が抜けています。(笑)そんなカオスな中、自分の母国語ではない英語で、ネイティブの人たちと対等に議論したり、試験で良い点数を取ったりクラスメイトから褒められたり。そんなことの積み重ねも自信に繋がりました。大変な中で自分で努力してつけた自信やその時の成功体験はどんな時でも自分を支えてくれると日々実感しています。

多様な価値観との出会いが自分の背中を押してくれた。海外で求められ続ける発言力と自分らしさ

ー その後、数ある選択肢の中から転職先に今の会社を選んだ理由を聞かせてください。

色々な道を考え、すごく悩んだ上での決断でしたが、製品や文化が好きな会社、グローバル経験が積める会社、そして一番ワクワクする会社。この3つの軸で考えると、今の会社がダントツでした。

さらに入社後、育休を半年取得するパパがいたり、とある競技の世界チャンピオンがいたり、youtuberがいたり、本当に多様な価値観と才能を持ち尊敬できる方々に出会い、自分らしさをより大切に思うようになりました。自分らしさを応援してくれる会社だからこそ、シンガポールに行く決断ができたこともありました。仕事内容としては、製品を日本やアジア諸国に販売する時にどのような戦略で、どのようなプロセスで、どんな価格で販売するかを営業チームと一緒に考えていく仕事となります。

ー 海外で働くにあたって、何を意識していますか?どんな魅力がありますか?

自分の意見をしっかり主張することをこれまで以上に意識しています。MBAの授業では、授業で先生が問題を出すと、みんなすぐに積極的に手を挙げます。クラスの中で私だけ手を挙げていないという状況になったこともあり、「あなた、すごく良いこと考えてるのになんで言わないの?」「日本人は自分で手を上げて意見を言わないよね」と言われたことがありました。正直、自信がない、恥ずかしいという気持ちがあって、意見を言えるようになるまで少し苦労しました。現在の職場では、何かの問いに対して人と同じではなく自分がどう思うか?を重視されるので、苦手意識を捨ててしっかり伝えるようにしています。ですが何よりも、シンガポールでは周りを気にせず仕事を頑張れる環境がありすごく助かってます。共働き世帯が多く、それを支える仕組みも整っていて、ヘルパーさんが住み込みで家にいたり、外食文化が盛んだったりしてとても働きやすいです。

ー 仕事以外のライフの部分はいかがですか?

育児にも家族にもとても良い環境だと感じています。1つ目は、多種多様な国籍の人の中で暮らすことは、息子の教育にもすごく良さそうだと思っています。息子には、多様性を大切にする子になって欲しいと思っているので、考え方やバックグランドが異なる友人と仲良くできるこの環境は魅力的です。2つ目は、家族の絆が深まったと感じています。日本では飲み会の誘いなど個人で出かけることも多いですが、シンガポールでは基本家族単位でのお誘いが多く、他の家族とバーベキューや旅行をしたりなど、家族で過ごす時間が増えました。

原動力は仕事に対する「楽しい」の最大化。色んな道を作って働く女性の心を軽くする存在になりたい

ー ご自身が日々全力で頑張っていける理由は?

自分の日々の仕事がすごく楽しくて、その「楽しい」をもっと大きくしていきたいというの思いが根底にあります。責任のある仕事を任されたい。自分の出来る仕事の範囲を広げていきたい。共に働く仲間から信頼されたい。そんな日々の一つ一つの小さな目標の積み重ねが仕事を楽しめる環境を作っています。あとは、将来的に自分の息子がパートナーを持った時に、パートナーのチャレンジを応援してあげられるような人になって欲しいなと思います。引退したら、夫と世界旅行をする約束をしていて、密かにそれも楽しみにしています。

ー 将来の展望は?

働く女性が親近感を持てる一つのロールモデルになれるといいなと思っています。私が20代の時、自分にとってのロールモデルとなる人が見つからず迷子になりそうな時期もありました。同じように、結婚や出産のライフイベントを迎えたときにキャリアについて悩む方も多いかと思います。頑張りたいと思っている彼女達を応援したいですし、そんな方々の気を楽にしてあげられるような先輩になりたいです。どんな選択にも正解はないけれど、あまり人がしないことにあえて挑戦してみて、あの人でもなんとかなるんだなって、たくさんある選択肢の中で一つの面白い参考例になればとっても嬉しいです。

ー 仕事に欠かせないアイテムはありますか?

IT周りの機器はもちろん取り揃えていて、目がないのですが、あえてファッションに。忙しくて適当になりがちな日も、きちんと感を出してくれるベルトは色々持って多用しています。適当な服でも、素敵なベルトをすればその日はなんとかなると思っています。いちばんのお気に入りはThe Rowのブラックベルト。累計1000回くらいは使っています。ママの”適当でいたい”気持ちを支えてくれるベルト、これからも大切にしていきたいと思います。(笑)

【プロフィール】
金澤結(かなざわゆい)
2010年株式会社サイバーエージェント入社、2016年にウォルト・ディズニー・ジャパンに転職。育休中の2019年にIE Business School Global MBAに入学。復職後は仕事とMBAを同時並行し2021年に卒業。その後、2021年に現職である外資系IT企業に入社。日本とアジアのマーケットを担当し、2023年シンガポールに転籍。2024年9月からはシンガポールにて外資系IT企業でアジアのチームをリード予定。


この記事は2024年8月時点の内容になります。

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