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働く女性に役立つトピック

【書籍紹介】仕事も家庭も大切にしたいあなたにヒントをくれる本

【本コラムの担当と概要】 本コラムはNewMe編集部bean(ペンネーム)が担当。大手日系メーカーで主にマーケティングに従事。結婚後、仕事に全力で打ち込めるうちにチャレンジしたいと手を挙げ、アジア圏で単身駐在。今は日本に戻り、夫と2人暮らし。趣味は美味しいごはんとお酒、旅行。現在は慣れない新しい業務と今後の家族計画について思案中。 目の前の仕事に真剣に取り組んできて、今ではやりがいのある仕事を任せてもらえている。信頼できる上司・メンバーに恵まれ、仕事の面白さも感じている。でも、パートナーと将来子供を持ちたいという気持ちも同じように持っているし、もし子供を持つなら生物学的には早い方が授かる可能性が高いというのも現実。どのタイミングで一時的に仕事から離れて子供を産み、どのように充実した仕事を手放さずに子供との生活を楽しんでいけばよいのだろう…。そんな不安や悩みを抱えているのはきっと私一人ではないはず。私の考えにヒントをくれた本を2冊ご紹介したい。

CONTENTS

 1冊目:「デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える」著:ジェニファー・ペトリリエリ、英治出版

この本は、仕事が自分の人生にとって大切だと考えるカップルが、キャリアも家庭も成功するためにどう乗り越えるか?についてたくさんの事例とともに紹介してくれる。人生には大きく3つの転換期があるというが、今のあなたは第一の転換期が身近に迫って、悩んでいるのかもしれない。それは、お互いが独立した自由な状態から、子供の誕生や転勤などが発生して、どちらのキャリアを優先するか?どのように家庭のことを分担しながらやっていくか?に直面する時。そんなときに、この本が紹介してくれる方法を試してみることで解決策が見えてくるかもしれない。

1.価値観・限界・不安の3つについて話し合い、共通の基盤を見つけること

絶対的なパートナーでも、これまで生きてきた環境も経験も違う別の道を歩んできた人。だからこそ、夫婦だからといって気恥ずかしく思わずに、改めて話し合う機会を作ってみることが大切。お互いにとっての理想の家庭とは?一定期間離れて暮らすことに我慢できるのか?義両親との関係性など不安なことはあるのか?二人にとって大切なことや譲れないことをお互い知ることで、今後一緒に人生を選んでいくときの基盤になってくれるという。

2.どちらのキャリアを優先させるかのパターンを考えてみる

二人とも仕事を持っているが、子育てが目の前にあるとき、仕事と子育ての優先順位をつけるとしたら…。考えられるパターンは、どちらかのキャリアを優先して、もう一人が子育ての主導権を持つ/キャリアを優先する時期を順番に交代する/(子育てを二人で分担して)二人とも同じ優先順位でキャリアに取り組む…。この本の調べによると、どのパターンを選んだらうまくいくという正解はない。二人で話し合って同意しているときにこそ仕事・家庭の満足度が高くなると「仕事も家庭も大切だからこそ悩んでいるあなたにヒントをくれる本」。

3.お互いキャリアの地図を描き、重ねてみる

どちらのキャリアを優先するか?を考えるときに、お互いのキャリアの地図を描いてみて、それを見比べてみることがヒントになる。今の仕事をいつまで続けたいか、次に挑戦したいことはあるか、仕事が忙しくなりそうな時期はいつか…。二人の地図を重ね合わせることで、今後直面し得る困難が事前に予測できたり、どういう分担が自分たちに合っているかが少し見えてきたりもする。もちろん地図は変わっていくものだけれど、それを定期的に見直してパートナーとシェアすることで、「突然起業するって言われても…、これから私一人で家のこと全部をするってこと?」などの家庭の危機が回避できそう。

2冊目:「仕事と家庭は両立できない?:「女性が輝く社会」のウソとホント 著:アン=マリー・スローター、NTT出版

〈世界の頭脳100〉にも選ばれ、大学教授を務めながら、ヒラリー・クリントン国務長官の下で政策にかかわる仕事を担うほどの華々しい経歴の著者が、リアルな自分自身の仕事と子育ての間の葛藤・悩みとともに、育児や介護と仕事の両立を幅広い視点で語る一冊。その中から、個人的にハッとした3点の気づきをシェアしていく。

1.自由にスケジュールを組める立場になっておく

家庭と仕事の両方を担っていくには、自分の時間を自由にコントロールできることが鍵となる。たとえば、会議で自分が決裁をする立場になると、誰かの予定に合わせるのではなく、自分の予定に合わせた仕事のスケジュールが組みやすくなる。マネージャーのような責任の大きい仕事は大変だ、と考えるかもしれないけれど、時間の柔軟性をもつためにも、子供を持つ前の早い段階からマネージャーなど少しでも上の立場を目指すのもひとつの方法。

2.自分の中にも「ママが一番」という気持ちがあることに気づく

あなたは、パートナーにも同じように家事や育児を担ってほしいと思っていても、ふとしたときに助けを求めるのが「パパ」だったとき、素直に受け入れられる?パートナーに任せようと思っていても、つい「あれやった?これやった?」と育児の方法に口出ししていない?平等に分け合いたいと思っていても、自分の心の奥底に、「子供にとっての一番はママ」という気持ちや、女性のほうが育児や家事が上手であるという思い込みが眠っていることに気づき、時にはその考えを手放すことも必要かもしれない。

3.頑張れば仕事も家庭も全部手に入れられるわけではないし、正解もない

仕事も家庭も頑張っていても、子供が成長していく上でもっとそばにいるべきだと思ったり、家族の病気や介護といった新たなケアの必要性がでてきたりすることで、やっぱり仕事をセーブしようという思いに至ることもある。計画通りにはいかないし、頑張ればすべてを手に入れられるわけでもない。正解はない。仕事を一時的に控える時期がきたとき、その先はどう過ごしたいか?についても考えてみよう。もし、いつか落ち着いたときに仕事のアクセルを再び踏みたいと思うなら、仕事から離れている間も人脈を保つ、スキルを磨くといった選択肢もでてくる。働き方の形が増えてきた今だからこそ、0か100かではなく、その時々での最善のチョイスをしなやかに選び取っていきたい。

私が2つの本から学んだのは、家族と仕事の両立をするための明解なハウツーはないということ。お互いが家族も仕事も大切にしているのであれば、それを認めたうえで、腰を据えて2人でしっかりと話し合い続けることで、やりたいこと、幸せを、諦めない自分たちなりの道が見えてくるのかもしれない。そう信じて、一歩踏み出してみようと思う。

【参考文献】
ジェニファー・ペトリリエリ、高山真由美(翻訳)(2022).『デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える』.英治出版
アン=マリー・スローター、関美和(翻訳)(2017).『「仕事と家庭は両立できない?:「女性が輝く社会」のウソとホント』.NTT出版

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