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働く女性に役立つトピック

【前編】りょかちさん×NewMe対談「なぜ女性は自信がないのか?」

NewMe編集部では働く女性に役立つニュースやコラムをお届けしていきます。 第一回はライター・コラムニストとして活躍するりょかちさんとNewMe Founderの笹川・篠原の対談を【前編】【後編】でお届けします。 テーマは、「働く女性が一歩を踏み出すために自信を持つには?」。NewMe創業にあたり、私達は「人生を自らハンドリングし、様々な分野で活躍している20-30代の女性たち」と議論を重ねてきました。その1人が、ライターとしてコラムや小説、シナリオ、コピーなど幅広い領域で活躍し、同世代の女性が抱えるリアルな心理描写に定評のある、りょかちさんです。りょかちさん曰く、自信をつけるために最も大切なアクションは「価値の棚卸し」だそう。

CONTENTS

りょかち
1992年生まれ。京都府出身。神戸大学卒。学生時代より、ライターとして各種ウェブメディアで執筆。新卒でLINE株式会社に入社し、アプリやWEBサービスの企画開発・コンテンツマーケティングに従事した後、独立。現在では、若者やインターネット文化についてのコラムのみならず、エッセイ・脚本・コピー制作を行う。また、2021年8月から1年間、キャリアSNS『YOUTRUST』にて運営中のユートラ編集部・編集長を務める。著書に『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎刊)。

▼対談相手 

新卒6年目で独立、入社から副業とともに走り抜けた会社員時代

笹川:りょかちさんは、新卒6年目でライターとして独立したそうですね。文筆業という自分の得意分野に気付けたのは、いつ頃のことですか?

りょかち:LINEに入社後、プロダクトマネージャーとして楽しく働いていたものの、必ずしも自分に向いている職業ではないかもしれないなと思っていたんです。今となっては考えすぎだったとも思うんですが、人並みにはやれるけど、周囲のレベルが高かったので、私はここでは一番になれないなと感じていました。

その一方で、副業として続けていたライター業務は上手くいっていたんですね。文章力を褒めていただけることも多くて。ただ、プロダクトマネージャーとして働いた経験は無駄だったとは思っていません。むしろ、今もライターとして働く上で差別化ポイントとして役立っていると思いますし、就職の際、憧れていた出版社に行くべきか迷いましたが、あえて予想外の職種で働くキャリアを選んだことで、得意分野がはっきりしたように思います。

篠原:入社まもなく副業を始めるのは、勇気がいることだと思います。本業をおろそかにしないよう、自分なりのルールを作ったり、時にはプライベートを犠牲にして働くこともあったのでは?当時はまだ副業をやってる人も少なかったはずですよね。

りょかち:新卒ですし、できる限り本業に支障がないよう、副業の仕事は平日夜や土日に対応していました。ただ、時間を調整するだけでなく、副業をやっている価値を本業に活かす努力も続けていました。副業の1つであるSNSインフルエンサーとして、いち早く利用できたSNSの新機能に関する情報を、レポートにまとめてチームに共有したこともありました。副業を応援してもらうには上司をはじめとする周囲のメンバーを味方につけることが大切だと考えていたので、本業でも副業でもしっかり成果を出し、副業の成果でも本業の役に立てるよう意識していました。

篠原:評価者である上司の方が理解のある方だったことが、一歩踏み出すきっかけに繋がったんですね。

褒めのコミュニケーションから見つける、自分の得意分野

笹川:自分の得意分野が分からずに悩んでいる方も多いと思うのですが、どんな方法で見つけられるものなのでしょう?

りょかち:少し戦略的に聞こえるかもしれませんが、周りを褒めることで、自分を褒めてもらうように仕向けることかなと思います。コミュニケーションだから、先に相手を褒めると、自分のことも褒めてくれるようになるんですよね。褒めてもらうと、自分には分からなかった得意分野が見えてくることもあると思います。

篠原:子育てと一緒で、大人も得意なことを伸ばした方が幸せなのかもしれないですね。

笹川:褒めは、社会人にとっても大事な戦略の1つですね。例えば人間関係につまずいてしまった時、積極的に褒めのアクションを取り入れてみるのも良いかもしれないですよね。

篠原:新卒で入社した会社で教えてもらったことなのですが、メンバーにフィードバックする際に、「8割褒めて2割アドバイスする」というものがありました。メンバーの成長を促すときに大事な考えで、頑張りを大いに褒めつつ、「でも、ここを改善するとさらに良くなるよ」と付け加えるんですね。自分もよく参考にさせてもらいました。

りょかち:通常フィードバックというと、耳の痛いことを言いがちですが、やはり褒めることは大事ですね。

自分に自信がない女性が陥りやすい、負のループ。必要なのは「学びの出口戦略」

笹川:転職やキャリアの積み重ね方について多くの女性と話していますが、常々感じるのは自分に自信がない人が多いということ。社会的に成功しているように見えたり、立派な肩書きがあっても、自信がない女性の多さに驚きました。

りょかちさんがお勧めしてくれたニューヨークタイムズ・ベストセラーとなった書籍「なぜ女は男のように自信をもてないのか」にもありますが、女性は全てが完璧に揃っている時しか、自信を持てないそうです。多くの女性が、自信を持って新たな一歩を踏み出せないのはなぜなのか。自信が持てないことで、負のループに陥る人が多いように感じます。

篠原:もちろん一概には言えませんが、男性と比べて、女性の方が気にしなくて良いリスクを肥大化させたり、拡大解釈する傾向があるのではと感じます。

非常に優秀で、堅実にキャリアを積み重ねてきたとある先輩と話していたのですが、その方がおっしゃっていたのが「自分に自信がないから、これまで会社から提案された新しいチャレンジを断ってしまったことが何度かある」と。仕事の報酬は仕事なのに、自分が問題なくできる業務にしか取り組まないと、小さな報酬しか与えられません。そのループにハマらないためには、現状のスキル・経験よりも少し背伸びした仕事に、何でも良いからチャレンジしてみることを強くおすすめします。

りょかち:副業をやりたい、職種を変えて働きたいという声をよく耳にするものの、そう言っている多くの女性が、すでにスキルや経験がある人だとしても、まずは学校に行きたがったり、資格取得を目指したりすることが多いんです。もちろん学び自体は素晴らしいことだけれど、すでに十分スキルがあるのにもったいないなと。本にも書いてありましたが、行動に移さないと自信につながらないのに、いつまでも勉強していたいと考える方が多いように思います。

篠原:私も、実践を含めた学びでなければ、自信につながらないと思います。以前、大学院でMBAの教授を務める先生の元で、半年間プログラムを受けた経験があるのですが、学んだことを実際の仕事に活かす「学びの実践」を通して、一歩進んだと感じることができました。

昨今よく耳にするリスキリングも、その意識やチャレンジ自体素晴らしいと思います。ですが、学んで終わりにならないように、転職や副業、社内での新たなミッションといった新たな挑戦の場(=実践)に繋げていくことが、真のリスキリングと言えるのかもしれません。

笹川社会で実践して失敗しないと、いわば “自信の積み率” は増えないですよね。

私自身、TBSを退職しようと考えた時に、とにかく何か学ばなければと思い、大学院に行こうと思うと夫に相談したら、「大学院で何がやりたいの?」と聞かれたことがあったんです。次のキャリアで何をすべきか分からないから、学べば、何かやりたいことが見つかると盲信していました。でも振り返ってみると、私の場合は大学院に行ったとしてもそれだけでは、次の展開までたどり着けていなかったかもしれないなと思いますし、後先あまり考えずに、今のようにまず行動に移してチャレンジする方が向いていたなと思います。

りょかち:学びを実践するイメージがあるなら良いけれど、学校にいくことが最終地点になるとその先のキャリアが見えなくなってしまいますよね。学びの出口戦略が必要だと思います。

自ら決断を下すこと、褒められる趣味を持つことーーそれぞれの自信の積み重ね方

りょかち:私からもぜひ伺いたいのですが、お二人はこれまでにどうやって自信をつけてきましたか?

笹川:私はどちらかと言うと昔から人に誘われて何かを始めたり、誰かのアドバイスに従ってここまで辿り着いたタイプなので、、TBSを退職することを決めたことが大きかったように思います。生まれて初めて、自分で大きな決断を下して自ら一歩踏み出したことは大きなに自信につながったと思います。

また、夫や篠原さんなど、身近な人たちが背中を押してくれるタイプだったことも大きく影響していますね。独立後、自分に仕事が果たしてあるのか、求めてくれる人がいるのか最初は不安もありました。でも、今回のNewMeの立ち上げもそうですが、とにかく動いて行動に移してみることで新たな出会いやチャレンジに繋がると思うんです。日々の小さな行動の積み重ねが将来の自分の可能性を広げてくれるんだと思います。

篠原:私は、自分で下した決断が今の自信につながっているような気がします。幼稚園のころから、大学まで内部進学できる一貫校に通っていたのですが、中学3年の時高校受験するために外に出る決意をしました。ほとんどの友人が受験しない環境だったのですが、11年間いたら飽きてしまって (笑) 急に自分がいる世界が狭く感じてしまったんです。外に出ても、新しい友達ができ、楽しく生きていけることが嬉しくて、新たな一歩を踏み出す自信につながりました。

りょかちさんの場合はどうですか?

りょかち“評価される場所を複数持つ”ことが自信につながっていたんじゃないかと思います。一つの場所でしか評価されていないと「私ってダメなんだ」と思うかもしれませんが、同時に違う場所で活動していると予期せぬことで褒められて「あれ、私のこの部分は周りの役に立てるのかもしれない」と思える。新卒時代は怒られることも多いじゃないですか。でもその一方で、当時副業のライター業務では、文章力があるねと褒めていただけることが多かったんです。その両方の評価を同時に受けていたことで「私なら頑張れる」という気持ちを持ち続けていられたと思います。成長のためには、厳しい評価を受ける環境も必要だと思いますが、自信をつけるために、褒められる場所も合わせて持つことがおすすめです。

篠原:成長のためには、コンフォートゾーンから抜け出すべきだとよく言われますよね。でもそれ以上に大切なのは、自分が成長できる環境と、褒められることで自分の得意分野に気付ける環境、どちらにも身を置くことなのかもしれませんね。どちらか一方に偏るのではなく、その比率が大事なんだと思います。

この記事は2023年8月時点の内容になります。

→りょかちさん×NewMe対談【後編】「まず“価値の棚卸し”から始めよう」はこちら

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