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働く女性に役立つトピック

今のZ世代のキャリアの第一歩にフィーチャー(前編)

【本コラムの担当と概要】 本コラムは、NewMe編集部Sayoが担当。新卒で外資系コンサルに入社後、自身のグローバルなアカデミック経験を活かしてグローバル市場を担当。また、サステナビリティ関連の資格を取得しながら日本企業の持続可能化に向けて邁進中。プライベートではゴルフ、乗馬、ピラティスなど、常に人や自然と触れ合うことが趣味。 自身がNewMeの活動に関わる中で、自身も新たなことへチャレンジしながらアップデートしていきたいと常々思っていることも重なり、今後のキャリア思考をより多くの同世代女性とも共有したい思いが芽生え、筆を取っている。今回は、Z世代のキャリアの考え方を探るべく、キャリアの入り口である就職活動当時の思いを深掘り。最近では企業のネームバリューのみならず、自分のバリューを考えながら、選ばれる立場よりも自身で選びにいくマインドセットを持つ女性も多くなってきていることを実感している。そのため、本記事では実際に専門スキルを武器に活躍する女性のインタビューも交えながらZ世代の働き方イズムを考察する。 (コラム公開日:2024年5月24日)

CONTENTS

今年も春には就職活動が解禁され、街ではリクルートスーツを着た緊張な面持ちの学生が多く見られた。私自身が就職活動を経験したのは数年前だが、企業説明会、オンライン懇親会、面接など、就職活動の大半がオンラインでの開催、少々オフラインもありというハイブリッドな就活だった。先輩もオンラインでの就職活動経験が無いなか、同期や就活友達と対策を練り、自己流で就活を突破してきた経験は忘れ難い。就活は個人戦といえど、やはり仲間がいると心強く感じる。

就職活動での困難といえば、これまでもリーマンショックによる就職氷河期等の影響もあったが、コロナ禍で行動制限があったことは、学生の就職活動手段・考え方にも大きく影響を与えたと考えられる。偶然なのか、コロナ禍の就活生の大半は合理的・物事の捉え方が割とフラットなZ世代だ。特にコロナ禍を経験しながら就職活動を乗り切り、現在数年キャリアを積んできた彼らの「働く」ことの価値観はこれまでの傾向よりも自分軸がはっきりしているように見える。

今回の記事では、就職活動が本格始動した今だからこそ、改めてZ世代、特に活躍の幅を広げる女性の「働きイズム」の傾向を探るとともに、就職活動の入り口が異なる女性2名を対象にインタビューも実施。採用担当の方にも、就職活動を頑張る学生にも、採用・就職活動・今後の働き方の指針を今一度考えるきっかけとなれば嬉しい。(私自身も記事を書きながら自身の人生の中のパーツとしての”仕事”を考え直すきっかけとなった)

まず、本記事のメインとなる”就職活動の軸の置き方”について、これまでの傾向と直近の傾向も比較してみる。大企業のネームバリューで就職後の安定を大事にする方がマジョリティだったこれまでに比べて、近年は自身の強みを活かした専門職や、ジョブ型の仕事を選択する方も一定増加しているという。

リクルートマネジメントソリューションズが実施した働くうえでの意識の調査※1においては、従来の新入社員とZ世代の新入社員の志に大きなギャップが生じていることが明らかになっている。(※1:リクルクルートマネジメントソリューションズが、2022年3月~4月に全国で開催した新入社員導入研修受講者525名、2021年12月~2022年5月に開催した新入社員向けeラーニングサービス受講者1,672名を対象に調査し公表された「新入社員意識調査2022」)新入社員導入研修受講者を対象とした「働くうえで大切にしたいこと」の調査においては、仕事に必要なスキルや知識を身につけることが1位になっており、10年前の調査結果との比較では11.5ポイントも上昇しているという。また、過去最高記録を刻んだのは「周囲(職場・顧客)との良好な関係を築くこと」、「元気でいきいきと働き続けられること」であり、マインドフルネスが重要視されていることが伺える。一方、過去最低を記録した項目は、「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」、「何があってもあきらめずにやりきること」、「会社の文化・風土を尊重すること」であり、根性論はZ世代にはもはや通用しなくなってきているのかもしれない。

また、CNET Japanが公開する株式会社Reccooが取り組んでいる日本最大級のキャリア教育支NPO法人エンカレッジのデータ※2では、Z世代の就活生1109人に対してのアンケート結果が公表されている。企業選択における価値観の調査結果では、事業内容に興味があることと、ワークライフバランスを実現できることが突出して重視されていることが見られる。(※2:Z世代の就活生が「高給」の代わりに、本当に望んでいるものとは? - CNET Japan

あなたの企業選択における価値観として、当てはまるものを全て選択してください(回答数:1109)※CNETJapanよりグラフ引用

結果についての読み解きとして、事業内容については、「どの世代にとっても重要な事柄だと思われますが、特にZ世代は、社会貢献性の高い事業やブランドへの関心が強い」と分析される。また、ここでは企業側の新入社員に対するステレオタイプの認識と、Z世代の仕事イズムのギャップを指摘している。「会社で出世することや高給取りになることは望んでおらず、普通の生活をするための最低限の収入を稼げればいいと考えているようです。これが回答の裏にある、Z世代の若者たちの正直な気持ちなのでしょう。企業側が、そのような意識のあり方を理解せず、「新入社員はひたすら努力し、文句を言わずに残業し、頑張って実力をつけていくものだ」と旧態依然とした態度を示せば、彼らは拒否反応を起こすと思います。」

このように、Z世代では大事にするマインドセットの価値観推移があり、より自身の考え方・幸福度を大事にする傾向が見られる。これまで私生活よりも仕事が第一という新人のマインドセットのもと成り立っていた新人教育においても対応と施策展開が求められると考えられる。

さらには、無駄を極力省きたいタムパ命の学生が多くなってきているように見受けられる。オールジェンダーで働き方の思考が変化していると同時に、女性のキャリア選択もよりフレキシブルになってきている。例えば、結婚や出産でキャリアがプツッと途切れることが緩和されてきており、自由にキャリアを築くことが可能な機会が広くなっていると感じる。これまで企業に選ばれるために頑張るという視点が先行していた一方で、最近では自分が企業を選ぶ、というような自分観点も大事に構えられるようになっている。

本テーマではZ世代の生の声から働きイズムを読み解くヒントとして、Z世代で自分の市場価値を見据えた就職における意思決定をしてきた女性2人の協力を得た。1人目は「専門スキルを活かし、さらにスキルアップを目指してファーストキャリアのスタートを切った女性。2人目は専門スキルと自分の適性を見極めるモラトリアム期間を経て、本格的に専門分野へと始動した女性を対象としている。

今回の前編では、専門スキルを活かし、さらなるスキルアップを目指してファーストキャリアのスタートを切った女性、花咲さん(仮名)からご紹介。彼女は現在大手ITサービス企業で、データ分析によるサービスの業務を主担当としている。大学で商学・マーケティングを専攻。ゼミの研究分野としてデータ分析を選択し、その経験が今の仕事に繋がっている。普段からしなやかで素敵な彼女が専門職でキャリア選択をした背景は何なのか?昨今ではテック分野で女性の躍進が輝かしい中、自分に向いていると判断した専門職でファーストキャリアを歩み始めたストーリーに片耳を…

ー 今の仕事の分野であるデータ分析に興味を持ったきっかけは?

大学でマーケティングのゼミに入り、データ分析の面白さを知ったことがきっかけ。大学での研究時に、普段肌感で理解をしている事柄を、データで立証することの楽しさを実感した。大学時代の研究成果が認められたり、自分で研究している楽しさが実感できたり、外的・内的両面で自分に向いている分野だと認識できたことで専門にしようと決めた。事業の改善のためのデータ分析がやりたかった。

ー 就職活動時の仕事選びの軸は?

自分の性格面で言うと飽き性な性格なので、好きな領域でスキルを培えるような職種を探していた。もちろん憧れで職種を目指す人もいてそれもすごいが、自分にとっては自分に向いている職種を探して目指す入り口が向いていた。

ー 専門職を極めるという選択を決断した理由は?

①手に職で働けること、②働いているイメージができること、の2点で決めた。特に就職活動の時には、働いているイメージを持つために、先輩社員を訪問し感触を確かめることを大事にしていた。先輩社員はコアスキルを持っている人が多く、自信を持って働くことが大事だと確信した。

ー 企業の規模は考慮した?

規模が大きい会社で探していた。データを活用した事業だと、規模が大きくないと分析の効果が見えづらい。その意味で顧客規模が大きい方が条件がいいため、自ずと大企業を視野に入れていた。ちなみに今の会社に就職を決断したのは、サービスマター。実際にWEBサイトの事業を運営している会社で絞って見ていた時に、ユーザー対象範囲が広く、サービスも多岐にわたっていたため、自分にとって好条件だった。

ー さらに「今後の目標は?」と問うと、意外な答えが返ってきた。

実は、データに絞ってキャリアを歩むことを考えていたけれど、意外にも絞らなくてよかったなと感じるし、フレキシブルな選択を取りたいと考えている。というのも、データ分析やスキル系を仕事にすると、資格名が自身の証明となるため、仕事の選択先が見えやすい。業界ごとにテーマは違うけれど、人々の生活の裏にあるデータの活用先は様々なため、既存のウェブサービスのみならず、分析系のスキルを習得したら自分の興味があるアジェンダで課題を解決するために、スキルを活かしてチャレンジしていきたい。最初のファーストキャリア選択時には違うかもと思っていたけれど、専門職という仕事を通して自分の興味がある領域にチャレンジしようと余裕が出てきた。

彼女へのインタビューを通して、大半の方が自分との向き合いをつい後回しがちな中、彼女は自分の内なる声とソフトで着実に向き合っている姿が印象的だった。専門職で働くことは他に変えられない武器であること、裏を返して言えば、他への替えが難しいことにもなる為、この点は多くの方にも不安ポイントになると考える。彼女の場合にはそこの不安意識に対し見切り発車せずに、これまでの自分の得意・不得意のケースを振り返ることで、着実なキャリア選択のアプローチをとっているように見えた。

今回は、Z世代の働き方にフィーチャーして、彼らのキャリアのハンドリングの仕方、働き方への考え方のエッセンスを分けていただいた。次回は後編として、専門スキルと自分の適性を見極めるモラトリアム期間を経て、本格的に専門分野へとチャレンジしている女性をフィーチャーする。Z世代の考え方・いち女性のキャリアの選択肢から、現状のご自身の考え方に不安を抱いている方・むしろ今の環境に満足していて他を見る予定を無い方でも、改めてキャリアの長い道のりにおける通過点を意識してもらえるきっかけになれば嬉しい。と言っても、、隣の芝生は青く見えるものだしちょっと不安になるのは当たり前のこと。今歩んでいる道は一人一人が選択し、与えられた時間の中で前進しているキャリアに変わりはない。他の人のキャリアが輝かしく見えても、まずは今頑張る自分を最大限労り、日々邁進するエッセンスとして参考にするくらいがちょうどいいと思う。さ、明日も頑張りましょう。また次回でお目にかかれるのを楽しみにしております!

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