玉田理沙
2014年株式会社サイバーエージェント新卒入社。入社後2ヶ月でキュレーションメディアを立ち上げた後、2016年より同社の宣伝本部にて、ABEMAなど自社事業のマーケティング・プロモーションを手掛ける。
2022年に株式会社heart relationに入社し、『Her lip to BEAUTY』のブランドマネージャーに就任。
企業に属しながら自分の人生を自分でハンドリングし切り開いていく
笹川:新卒でサイバーエージェントに入社。その後、Her lip toを運営する株式会社heart relationに入社。まさに我々NewMeが掲げている“キャリアを自分でハンドリングしながら自分らしく働く”を体現されている玉田さん。9年目・30歳の時に転職というご決断をしたのもハンドリングするという姿勢を体現していることですが、1社目のサイバーエージェントも裁量権が大きい環境という印象です。どのようなことを意識し、キャリアをハンドリングされてきましたか?
玉田:会社員として組織に身を置いている場合、意識してハンドリングしていかなければ人事異動など会社の事情に左右されてしまう可能性があります。私が普段意識していることが2つあって、まず1つ目は“信頼残高を上げていくこと”。信頼残高を上げるには、ホスピタリティのある報告と相談の仕方が重要であるということを前職で学び、今の仕事でも日々その重要性を痛感しています。失敗であったとしてもきちんと丁寧に報告すると言う姿勢が信頼につながると考えて徹底しています。
笹川:確かに、チームのメンバーや上司からの信頼を少しずつ重ねていくことで重要なプロジェクトを任されたり、新規の事業に抜擢されたりとチャンスが転がってくることってありますよね。
玉田:まさにそう思います。チャンスは信頼の上に転がってくる気がしています。そして大切にしていることの2つ目は、やりたいことがある場合「自分はこれをやりたい」と意思表示すること。例えば私は前職で自身のプロジェクトを立ち上げた後、宣伝の仕事の経験を積みたいと思ったので、様々な場面で「ドラマに携わりたい」「宣伝の経験を積みたい」と口にしていました。その結果、希望の部署に異動ができました。タイミングなどもありますし、すぐに希望が叶わなかったとしても、常に周りに発信し続けるのは大事なことだと思っています。
笹川:“信頼とチャンスは2つで1つ”ということを頭の片隅に置いて、仕事と真摯に向き合うという姿勢は20代半ばのシャカリキに働く世代の方にも意識できることかもしれないですね。
管理職になり圧倒的に意思決定の回数が増え、自信に繋がった
笹川:今、玉田さんはHer lip toのビューティチームのマネジメント業務をされています。社会では女性管理職を推進していこうという流れがあるものの、管理職というポジションにポジティブなイメージを持たない女性も多い印象があります。自信がない・ライフとの両立が想像できない、などの理由で拒まれている方も多いのかもしれません。管理職の実態が掴みきれない中で今後のキャリアアップを漠然と悩んでいる方にアドバイスするとしたら?
玉田:仕事を始めたばかりの若い頃は「管理職=チームメンバーの面倒を見る仕事」という漠然とした印象を持っていました。けれど今、実際に私が向き合っている業務では、事業の戦略を考えながらその実現に向けてメンバーを引っ張っていくというもので、マネジメントの役割だけではなく仕事の裁量権を委ねて貰っている感覚があります。また、管理職という立場になり、意思決定の回数が圧倒的に増えたのは大きな変化です。日々悩み失敗したり反省したりという繰り返しではありますが、一方で決断経験の数が増えれば増えるほど自分の学びとなり着実に自分の自信に繋がっているなと感じます。
笹川:会社の規模や体質によって管理職の業務はそれぞれ異なるとは思いますが、管理職になってプロジェクトの裁量権が握れて自分らしく活躍出来そうな予感が少しでもあるのであればチャレンジしてみることも一つですよね。自分の成長が実感出来なくなってきたタイミングや、新たなチャレンジをしたいと素直に思えるタイミングでマネジメントサイドに異動してみると、同じ職場であっても違う景色が見えてきそうですし。特に玉田さんのような意思決定の機会が増えるという意味では、管理職でない時よりも格段に経験値が上がってご自身の成長に繫がりそうです。
玉田:はい。自分の意思決定の回数を増やすことによって自信につながる。これは実際に管理職となったからこそ知ることができた良い側面ですね。また弊社では最終的には小嶋さんの意思決定が軸にはなっていますが、マーケティング・宣伝に関しての決定権は私にもかなり委ねて貰っています。小嶋さんとのミーティングでも常々「どう思う?」とフラットに意見を交わすことができ、プロダクトにダイレクトに反映されるので、日々やりがいを感じています。
サステナブルに働くためにまず「事実を知るべき」
笹川:玉田さんの中で「サステナブルに働く」ってどんなイメージでしょうか?
玉田:そうですね、やはりキャリアとライフイベントを重ねて考えてみると、正直私の場合はいつか子供を産んだとしても産後にゆったり働くというマインドに自分がなれるのだろうかというという疑問はあります。
SNSなどで「今せっかく仕事が楽しくなってきたのに、友人達は結婚出産を意識し出している。どんなマインドで仕事と向き合うべきか」など質問をいただくことも多いです。私の考えとしては、まず「事実を知ること」が大事なんじゃないかと思います。
笹川:「事実を知る」というのはどういうことですか?
玉田:例えば、産休・育休の制度や子育てが始まった後の福利厚生や、育休中の手当の額や時短にしたらどれくらい給与が下がるのか計算してみる。その他、AMH(卵巣年齢を計る検査)を受けて、今の自分の身体に関する事実を知ることも大事です。その事実を収集することで現時点の自分と将来の理想の自分の姿を明確にして、人生設計の逆算が出来る。漠然とした不安って大体自分の現在地を把握できていないこと。
二つ目は自分の将来がどうなっているかなんて分からないということ。キャリアを積んできたからといって人生が上手く行くわけでもない。なので、自分の足で必ず生きていけるようなスキルや環境づくりをしておくことは大事だと思うんです。私は起業家タイプでもなく、管理職向きで、「これをやりたい!」と言う人の隣でNo2として支えるのがフィットしています。少し客観的に自分の立ち位置を確かめながら、自分で自分の人生を設計していくためのスキルと経験と自信を少しずつつけながら生きていきたいなと思っています。
笹川:今後どんなキャリアを想像していますか?
玉田:自分の中で理想のキャリアや今後の具体的な展望は敢えて持っていません。これからも、これまでのように色々な人や環境と出会うと思いますが、どんな時でもきちんと自分の興味のアンテナを張って「面白い!やってみたい!」と自分の感情が揺れるタイミングや直感を大切にしていればきっと自分らしくて面白い人生になっていくのでは無いかと思っています。目の前の仕事と丁寧に真剣に向き合いつつ、自分の現在地を引きで見たり自分の感情を常に察知できる余裕を持つのは大事なことかなと思っています。
笹川:本日はありがとうございました!今の自分の現在地を引きで見て把握して、将来の理想像との間にある通過点をいくつか設定して未来に繋げていくというような道筋を一度作ってみると、自分の中で上手く整理できそうですね。なかなかその通りには行かないと思いますが、自分の理想の生き方を一度想像してみると、道を逸れた時もそれ自体を楽しむ余裕を持てたりしそうです。貴重なお話ありがとうございました!