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働く女性に役立つトピック

【後編】りょかちさん×NewMe対談「まず“価値の棚卸し”から始めよう」

NewMe編集部では働く女性に役立つニュースやコラムをお届けしていきます。 第一回はライター・コラムニストとして活躍するりょかちさんとNewMe Founderの笹川・篠原の対談。今回は【後編】をお届けします。 後編では、自信をつけるために最も大切なアクションだとりょかちさんが言う、「価値の棚卸し」に迫ります。読者のみなさんに明日からすぐにでも取り組んでいただける、具体的な棚卸しの進め方についても教えてもらいました。

CONTENTS

りょかち
1992年生まれ。京都府出身。神戸大学卒。学生時代より、ライターとして各種ウェブメディアで執筆。新卒でLINE株式会社に入社し、アプリやWEBサービスの企画開発・コンテンツマーケティングに従事した後、独立。現在では、若者やインターネット文化についてのコラムのみならず、エッセイ・脚本・コピー制作を行う。また、2021年8月から1年間キャリアSNS『YOUTRUST』にて運営中のユートラ編集部・編集長も務める。著書に『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎刊)。

転職したいけど、何がやりたいのか分からない…まずは「やりたくないことから考える」

笹川:前編では副業や、自分の得意分野を見つける方法、自信のつけ方とお話を伺ってきましたが、りょかちさんは「転職」についてはどう考えていますか?やっぱり動き出すタイミングは大事でしょうか?

りょかち:私は、タイミングに関してはいつでも良いと思っています。今は本当に色々な働き方があるので、始めるのは何歳でも良いのではないかな、と。

篠原:人事としての視点で言うと、異業種へ挑戦するハードルが低いのはやはり20代です。40代以降だと、転職先の選択肢が先細りしてしまう現実は否めません。若い方は柔軟性が高く、転職市場におけるニーズが高い。ですが、目の前のことに一生懸命取り組み続けてきた人には、年齢に関係なく、道が開けるというのは言えると思います。

笹川:NewMeで色々な方とお話しする中でも、「転職したいけれど、やりたいことが見つからない」という声も多いのですが、どのように見つけていけば良いと思いますか?

りょかち:やりたいことから考えるだけではなく、やりたくないことを考えるのも良いと思います。どんな仕事にも、つらいことは必ずあります。だけど、耐えられるつらさと耐えられないつらさがある。例えば私の場合は、転勤がある会社や、若い人が活躍していないなどは合わないと感じたので、まずは自分が避けたい環境を明確にしていきました。嫌なことを減らすだけで、快適に仕事ができると思いますし、嫌なことを考えることで、自分が好きな環境を見つけられることもあると思います。

「“タグ”精神」で、環境を変えずとも一歩踏み出すことができる

りょかち:最近怖いなと思うのが、長年同じ部署にいたり、同じ役割に固執し続けたりすることで、特定の環境でしかパフォーマンスを発揮できない人になってしまうこと。例えば、自分が1言えば10周りが分かってくれる環境が当たり前になると、別のチームで働く時にコミュニケーション下手になってしまう。今は、企業に所属しなくとも副業などで複数のプロジェクトに所属できますし、キャリアを重ねるとどうしても自分の得意な環境で仕事をやり続けたくなるものだと思うので、普段からトレーニング的に様々なチームに所属して、様々な立場を経験してみるのが重要だと思います。

会社員時代は一本道のキャリアだったので、とにかくどんどんキャリアアップしたいと思っていました。でも、今フリーランスとして色々なプロジェクトに参加させてもらう中で、リーダーとして働くのも、いちメンバーとして働くのも全部楽しいんですよね。キャリアを重ねても、あらゆる環境で成果を発揮し、仕事を楽しめるプレイヤーでいたいなと思います。

篠原:私も、独立して人事領域の支援をしてきた中で、臨機応変にニーズに対応することが、自分自身の成長にも繋がっていくんだと知りました。クライアントから求められた際は一緒に泥臭く手を動かすことや、知識不足の領域であったとしても勉強してやってみることもありました。スキル・経験の切り売りに留まらないように、未経験の領域にクライアントとともにチャレンジするようなお仕事を受けたこともあります。

自分のスキル=タグを増やす気持ちでまずはやってみようという、“タグ”を増やしていくような精神が大事だと思います。

「価値の棚卸し」の鍵は、第三者から定期的に見てもらうこと

りょかち:会社員時代と比べて、独立してから強く意識するようになったのは、「働いている人はみんな売りもの」だということです。タグ精神にも通じますが、自分という労働力をしっかり整理する必要がある。スキルだけでなく、自分のモチベーションが上がる条件や、バリューの出し方を、誕生日や正月など年に数回、必ず整理するようにしています。

これを私は「価値の棚卸し」と呼んでいるのですが、最初は曖昧なもので良いんです。それらを仮説検証していくことに意味があります。例えば、会社員時代は向いていないと思っていたけれど、独立してから褒めてもらえる機会が多いので、「案外ディレクション業務は得意かも」と考えて、ディレクションに関する仕事をやってみる。そうして価値が発揮できれば、自分の価値がどんどんはっきりわかっていきますよね。自分で考えているだけではなかなか分からないものなので、まずは仮説としてあげてみて様々な挑戦をすることで価値を明確にしてみるのがおすすめです。

笹川:たしかに私も今振り返ると、会社員時代の自分は能力を上手く言語化出来ていなかったような気がします。評価面談などでも「果たしてこれを能力として書いて良いのか」と常々悩んでいたような。自分だけで上手く棚卸しできない場合は、友達やプロと共に棚卸しするというのもいい方法かもしれないですね。

りょかち:あとは、定期的に、第三者の立場で自分の価値を判断してくれる人と話すと良いと思います。私は転職意向はなかったものの、年に一度は転職エージェントの方とお話していました。例えば面談時に、自分の強みをリーダーシップと記載していると、エージェントの方から「自分のバリューとして活かせるように、りょかちさんならではのリーダーシップについてもっと深ぼってみましょう」と具体的なアドバイスをいただけるんです。

篠原:履歴書や職務経歴書にも、実際十分な実績やスキルを持っていてもそれを存分に職務経歴書に落とし込めていない方が多いんです。もっと堂々と書いてみても良いのに、と何度も思ってきました。書いたことを100%完璧に出来ないといけないのではと不安に思われるかもしれませんが、これまで積み重ねてきたキャリアと自分を信じて、一歩踏み出すために、自分のスキルと可能性を前面にアピールすることも転職活動においては大事だと思います。

りょかち新しく何かを始める時には、自分の強みを分かっていた方が有利ですよね。例えば、私が急に「アナウンサーになりたい」と思った時、そのまま希望を言っても難しいかもしれませんが、自分の強みを理解して「若者やSNSなどのインターネット文化について詳しいので、そういった番組に出演すれば独自のコメントを伝えられると思います」と言えば少しは考えてもらえるかもしれません。

チャンスを掴むために、特別なスキルは何も必要ない

笹川:最後のテーマなのですが、2人が共通して持っている資質で素晴らしいなと思うのが、「この仕事できそう?」とよく声をかけられるスタンスであること。これを多くの女性が標準装備できたら、もっと世界が広がって楽しそうだなと思うんです。新たな一歩を踏み出すためのチャンスを掴めるよう、日頃から心掛けていることってありますか?

篠原:新卒で入社した会社では、新たなチャレンジに対して自ら手を挙げることがチャンスにつながると教わりました。部署の活性化イベント企画から、これまで全く経験がなかった外国籍の方の採用まで、入社してすぐは本業でいっぱいいっぱいではあったけれど、まずは「やってみたいです」と手を挙げました。

私にはできないかもって思うと、できない理由はいくらでも考えられるんですよね。でも、失敗したところで大したことない。「最初から新卒に大したことを求められているわけではない」と敢えて少し軽く捉えて頑張ってみようと愚直に取り組みました。がむしゃらに走っているうちに、「頑張っている新卒がいるから、応援しよう」と部署内で多くの先輩方に思っていただけたのは、とてもありがたかったです。

りょかち:そうやって手を挙げ続けていると、次第に幅広い仕事を振られるようになりますよね。私の場合は、”信頼ポイント”という言葉を大切にしていました。

Slackで質問している人がいたら誰よりも速く返信するとか、誰も議事録を取っていなかったら自分が取るとか、どんな小さなことでも良いので、仕事をよりよく進めるために役に立つことをやっていると、仕事にオーナーシップがあると信頼してもらえるんです。チームの役に立てる瞬間を見逃さず、細かく”信頼ポイント”を稼いでいく。結局、仕事を任せたいかどうかって、その人のスキルも問われますが、それと同様に、仕事に対してどういう姿勢を持っているかが問われると思うんです。「この人ならしっかりやってくれる」と思わせる瞬間を重ねていくのが、信頼ポイントを稼いでいくということ。色んな人の”信頼ポイント”が貯まると、新しい仕事を任せてもらえることが増えました。未経験の領域でスキルはなくても良いけれど、できる仕事があれば積極的に取りに行って、まずは一生懸命チームのためになることを頑張ることが大切だと思います。

笹川:お二人とも新卒時代のマインドのエピソード、どちらも明日から、すぐにでも取り組めそうなものですよね

篠原:今いる環境を変えずに、自分のポジションを変えたいと思った時などに、まずはやってみると良いかもしれません。

りょかち:因みにその後の話を少し思い出すと、そうやって仕事をたくさんいただけるようになったので、次の段階としてある程度自分がやりたい仕事で指名をもらえるようなアクションを取るようにしていました。具体的には、自分が興味ある分野を、社内のチャットツールやSNSなどなんでも良いのでアピールすること。私の場合は「若者文化」とか「SNS」でした。すると、周囲の人の脳内SEOで、“若者文化=りょかち”が上位に表示されるようになって、その内容に関連する仕事があった時に「そういえばこの分野ならりょかちがいた」と思い出してもらえるんです。

自分の中で好きだと思っているだけでは意味がないので、興味ある分野について繰り返し発信することで、周囲の人にそのイメージを定着させることができます。仕事を拾いにいくことも、好きなものを発信することも、特別なスキルは何も必要ありません。


笹川:なるほど。小さな心掛けやアクションの積み重ねで、仕事への姿勢が周りに伝わって行って、オリジナリティのあるキャリアの構築に繋がったのですね。沢山学びのポイントがありました。りょかちさん、本日はありがとうございました!

※この記事は2023年8月時点の内容になります。

りょかちさん×NewMe対談【前編】「なぜ女性は自信がないのか?」はこちら

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