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働く女性に役立つトピック

専門職コンプレックスを振り切り、CAから未経験領域への転職をした経験を振り返って

【本コラムの担当と概要】 本コラムはNewMe編集部Momo(ペンネーム)が担当。新卒で日系航空会社に入社。客室乗務員として国内線・国際線に乗務。29歳でキャリアチェンジを決心、転職活動を行い、現在はIT企業の人事領域に従事。客室乗務職などをはじめ、世の中には様々な専門職が存在するが、そういった領域からの転職にハードルを感じている人が多くいるのではないか、と感じる。 現に私自身、「私にはこの仕事しか出来ない」という思い込みが強く、外の世界を見ようとしてこなかった時期があった。キャリアに正解はないものの、数年後に振り返った時、「あの時この選択をしてよかった」と思うためには、どのタイミングでどういった行動が必要か。29歳で客室乗務職からキャリアチェンジをした経験を振り返り、ご紹介したい。

CONTENTS

ふとした時に感じる、自分のキャリアへの「モヤモヤ」を見過ごさない

世の中に専門職は様々あるが、私が従事していた客室乗務職は特に特殊な職種の一つだと感じる。
入社後は保安業務、サービス業務に関する訓練を計2ヶ月ほど受け、数日間のOJT(On The Job Training)を経て、クルーとしてひとり立ちする。毎日異なる勤務時間、クルー、行き先、機材という変則的な環境の中で現場経験を積みながら、訓練で身につけた知識を、臨機応変に正しくアウトプットしていく。そして年次が上がると新しく訓練を受け、合格することで出来る業務の幅が広がっていく。専門職という名の通り、客室乗務員としての業務の専門性を高める、といったことに、私はひたすら注力していた。

そんな自身のキャリアに対して最初に「モヤモヤ」を感じたのは社会人になって3年目の頃だった。周囲の友人たちから「今年度から異動になったんだよね」「実は転職することにしたの」といった話を聞くようになった。その時に彼らは様々な経験をしながら、自分の強みや今後進みたい方向性を見出していくのなど感じた。そして”私はこのまま異動も転職もなく、会社を辞めるまでフライト一本で頑張るのかな・・・?”と思ったのである。
ただその時まだ若手社員だった私は、”まだまだ出来ないことの方が多いし、今は目の前の業務を頑張ろう”と思い、その「モヤモヤ」を抑え込んだ。

次にその「モヤモヤ」が現れたのは、社会人5年目の時だった。新型コロナウイルスの流行によりフライトが激減し、自宅待機の日々が続いた。最初の頃こそ「体が休まって嬉しい」などと思ったものの、周囲の友人たちはテレワークなどを駆使しながら停滞することなく、着実にキャリアアップしていく。仕事がない自分の状況に、段々と危機感を感じた。この時に、これまでフライトに集中してきた社会人生活を送ってきたため、そのフライトが無くなった今、他に出来ることが何もないことに気づいてしまった。

今思えば、社会人3年目の時に感じた「モヤモヤ」を見過ごさず、何かしら行動を取っていれば、フライトをしながらでもリスキリングに励み、こういった事態の中でも別軸で活躍できるスキルを身につけていたかもしれない。過去に確かに感じていた「モヤモヤ」を見過ごしたことを後悔した。

専門職あるある?「私にはこの仕事しかない」という思い込み

しかし「モヤモヤ」を見過ごしたことに後悔をした後、すぐに何か行動に移せた訳ではなかった。
その大きな要因として、自分の中の”専門職コンプレックス”があったと思う。先述の通り、社会人になってからフライト業務しか経験しておらず、自分に出来ることとしてパッと思い浮かぶのは、機内でのドリンクやお食事サービス、機種ごとの保安業務、お客様への対応など。自分の強みを棚卸ししようと思っても、これまでの経験は、どうせ潰しが効かないものだ、と思わざるを得なかった。この引け目がネガティブな方向へ進んでいき、”転職活動をしたとしても、他に活かせる経験がない自分に勝ち目はないだろう””自分にはどうせ無理だろう”という「専門職コンプレックス」となった。 

そんな中で、後々の転職という大きな変化に至るまでの「点と点」の起点が「自分の考え・想いをひたすらアウトプットすること」だった。何か行動を起こしたいのにコンプレックスに苛まれ動けずにいた私は、家族、仲のいい同期、数少ないフライト機会で同乗するクルー、社外の友人など様々なコミュニティで関わる人へその状況をそのまま率直に相談するようにしていた。曝け出すのは勇気が必要だったが、取り繕っても仕方がないと開き直り、このモヤモヤ、コンプレックス、何も動けない自分を変えたい、という想いを周囲へ発信し続けた。多くの人が親身になって話を聞いてくれたり、共感してくれたり、自信がないのは自分だけではない、ということを肌で感じられるようになり、少しずつ勇気付けられた。

「点」は一歩踏み出した先に繋がっていくもの

そんな中で転機が訪れた。コロナ禍施策として、社内でグループ外企業への出向の公募制度が開始された。募集されている企業のリストを見てみると、これまでとは全く異なる経験ができる魅力的なものばかりだったのと同時に、グループ会社でもない全く別の事業会社ばかりであった。以前の自分であれば、スキルも経験もない自分が、領域もカルチャーも一緒に働く人も、全てが異なる企業で、全く異なる業務を担当するなんて、想像も出来なかった。しかしその時の私は、色々な人に話を聞いてもらう中で改めて整理された考えや、貰ったアドバイスなどが、「点と点」になり、自分の中で繋がったことで”これはチャンスだ、この船に乗らない手はない”と思うことが出来たのである。

そして応募したIT企業に出向させて頂き、人事領域の業務を担当することになった。出向中はいわゆるビジネススキルや経験がない中で未経験の業務を担当し、事あるごとに「これで合っているのかな」「今変な事言っていないかな」と不安になったりもした。しかし自分では活かせないと感じていた、これまでのキャリアで培ってきた強みを褒めてくれたり、質問をした際は理解出来るまで、丁寧に教えてくれた。そしてそれらが積み重なり「コンプレックスだらけの私でもどうにかなるのかも」と思うことができたのである。

そして出向からの帰任後、この経験を糧にさらに挑戦をしたいと考え、転職活動をし、現職に至っている。”専門職コンプレックス”は中々しぶとく、今でも視座の高い同僚に囲まれる中で、引け目を感じることがある。それでも、あの時周囲に抱える「モヤモヤ」とコンプレックスを打ち明けたこと、出向をして全く異なる環境で未経験の業務を経験したこと、不安ポイントを一つずつ潰していき小さな成功体験を積み重ねられたこと、その経験をもとに転職でキャリアチェンジ出来たこと。最初に一歩踏み出したからこそ、その先に次々と「点」が繋がっていき、今の自分がいると感じている。

もし現在専門職に従事していて「モヤモヤ」を感じている人、さらに「私にはこの仕事しか出来ない、他の仕事なんてきっと無理だ」と感じている人がいたら、まずはその「モヤモヤ」を見過ごさないでほしい。そして自分の中だけで整理することが難しい場合は、ぜひ勇気を出してその想いを周囲に発信してみてほしい。きっとその発信が起点となり、次の「点」が見えてくるはずである。そしてそれらが繋がった先に、キャリアチェンジに限らず、自分が納得の出来るキャリアライフが待っていると考える。

もし周囲に話しづらいということあれば、転職エージェントなどのサービスを使い、知人・友人以外の他者に思いを吐露しつつ自分のこれまでのキャリアを棚卸しし、これからの可能性を探る作業から始めることをおすすめする。(もちろんNewMeのキャリアアドバイザーもお力になります)。どんな形であれ、この自分の中にある「モヤモヤ」としっかり向き合うことが最初の一歩になるはずだ。本コラムの内容が、誰かの背中を押すことに繋がれば、幸いである。

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