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働く女性に役立つトピック

NewMeローンチイベント【Session2】一歩踏み出した経験のある人のきっかけを知る

NewMeでは女性×キャリアを共通テーマとしながら、多様な働き方・生き方を届けていくことを目的に様々なイベントを開催しております。 2023年11月19日(日)にイベントの第1回として「今回は一社で勤め上げる時代が終わった今、キャリアとどう向き合っていくか」と題し、NewMeローンチイベントではセミナーを開催いたしました。【Session2】では転職経験者や社内でキャリアチェンジした方、実際に多様な働き方を重ねてきた3名の女性の実体験を伺いながら、オリジナリティのある働き方について考えました。

CONTENTS

【登壇者プロフィール】

小坂井 咲(外資系IT企業)
2012年に外資系IT企業に入社。営業/コンサル業務に従事し、2015年からは新規事業部でデータアナリストとして活動。第一子育休を経て、2022年からは商品開発事業部にて商品開発からマーケティングにまで携わり、現在は第二子育休中。

長谷 綾乃(株式会社YumiCoreBody)
2011年株式会社パルコに入社。その後、カート・サーモン・ユーエス・インク(現アクセンチュア)、アパレル業界を対象とした自己資金投資ファンドを経て、2021年YumiCoreBodyに参画。

女性の健康と美を応援するフィットネスサービスの拡大に携わる。

梅田 杏奈(エンターテイメント企業)
立教大学卒業後、新卒で株式会社リクルートキャリア(現:リクルート)に入社し、人材領域の法人営業に従事。2014年より人事・スタッフ領域にて、新卒採用・中途採用・社内広報・人事企画・若手起業家支援などを経験。その後、スタートアップでの人事領域執行役員を経て、現在はエンターテインメント企業で経営企画職に従事。

今までのキャリアで一番悩んだ時期、自分との向き合い方

篠原:転職する・しないに関わらず、早くから自分のキャリアに向き合い、今いる環境を選ぶにしても自分自身が納得することは大事です。異業種に転職するのであればなおさら、年齢・ライフイベントとともにハードルはあがっていくので、その意味でも早く「早く向き合い始める」ことが必要ですね。 

笹川:まずは皆さんに今までのキャリアで一番悩んだ時期、どうご自身と向き合ったかについてお伺いします。

梅田:私は産休に入ってから復帰し、管理職になるまでの2年半くらいが一番悩んだし、考え方の転換点にもなりました。産休に入るのが自分で思っていたより早く、管理職一歩手前のリーダーを務めていたタイミングでもあったので…不安を抱えながら産休に入り、かつ待機児童の罠にはまって1年半がっつり育休をとったので、復帰のタイミングでは(仕事を)やりたい気持ちと不安とが入り混じっていました。

笹川:葛藤もきっとありましたよね。

梅田:そうですね。復帰したものの、しばらくは結構色々自分の中で我慢していたのですが、たまたま一度、会社の懇親会に娘を連れて行ったことが転機になって。その時に娘がすごく楽しそうで、帰り道に「ママ今日すごい楽しかったね、ママってたくさんお友達がいるんだね」と言ってくれたことがすごく嬉しかったんですよね。その話を翌日上司に話したら「それがあなたらしい育児だし誰のロールモデルにならなくてもいいんじゃない」と言われて、あぁ、育児も他の選択と同じで100人いれば100通りあるんだ、と吹っ切れました。そこからは主人と相談してマイルールを作って、水曜は"ノー残業デー"ならぬ"ママめいっぱい残業デー"にするとか(笑)そうした中で自分にとっての育児の合格点が変わったり、自己肯定感が上がったり。結果、仕事も頑張ることが出来て、復帰して1年で管理職に昇進しました。周りの物差しではなく、自分自身の先入観を取っ払えたという大きな原体験になりました。

長谷:私、実は人生の選択で悩んだという経験がすごく少ないんですが、1度だけものすごく悩んだのが2回目の転職です。コンサルティング会社からアパレル専門の投資会社に転職を考えていた時期なのですが、コンサルにいる以上はマネージャーまでは経験しなければいけないんじゃないか、という葛藤があって。あまり人に相談とかしないタイプなのですが10人くらいの先輩に相談してみたら、みんな真剣にアドバイスはくれたけどそれぞれ言うことが全然違う。当たり前かもしれませんが、結局決めるのは自分なんだと思いました。今でも時々その頃を思い出すこともあるのですが、その選択を正解にしていくのも自分なんですよね。ただ相談していろんな意見を聞いたおかげで、視野が広がったという実感はあります。

小坂井:私は新卒3年目の時に一番悩みました。自分たちの代が新卒1期生でロールモデルもおらず、周りはプロフェッショナルな中途採用の方々ばかり。「とりあえず3年」と言うけれどこのままでいいのかな、と漠然と悩みました。私の場合はまずは転職サイトに登録してキャリアアドバイザーに話したり、ベンチャーで働いている知り合いに話を聞いたりなど、社内外色んな人に話を聞いてみました。結果、自分が挑戦してみたいと思っている分野、磨きたいと思っていたスキルを磨ける環境が社内にあったため、社内異動にチャレンジすることにしました。

篠原:社内のシステムとして異動希望が出せる、叶うというのも素晴らしいですね。

「やりたいことが見つからない」あなたへ、先輩たちからのヒント

笹川:一方でやりたいことが見つからないというお悩みもよく聞きます。

梅田:私自身、いくら瞑想しても自分がやりたいことが出てこないタイプの人間なんです。逆に自分が「これをやりたい!」と意思を強く持って言える時って、過去の原体験や、その体験に紐づく何らかの感情が後押ししてくれることが多かった。今はそれがわかっているので、忘れる前にこまめに自分自身が「何が嬉しくて、どういう時に楽しくて、もっとやってみたいと思ったか」をメモしています。それが見えてくると「こういうテーマ・仕事もありかも?」と抽象化したり合理的に整理したりもできるのですが、原動力、材料が自分の中にあるということが大事だと思っています。

笹川:「妄想の中にはない、実体験の中にしかない」という言葉がすごく金言だと思って。私、会社を辞めて何をしようかなと考えていた時にやりたいことを書き出してみたことがあるのですが、やりたいことが今の自分とかけ離れすぎていたというか、漠然としすぎて整理し切れなかったんですよね。

梅田:まず具体的に書いてみる、というのは大事かもしれませんね。私は1社目の時にマネジメントで挫折体験があって、その挫折から人事を学びたいと思い、異動か転職をしようと考え始めたので。(決断のプロセスが)自分の中でリアルだから、後々になっても気持ちを強く持てました。

長谷:私はどちらかというと妄想派で、自分がわくわくする時間を定期的にとるようにしています。何も出てこないこともありますが、そういう時に大事なのが原体験だなとは私も思っていて、妄想と実体験を繋げるために大切にしているキーワードが「好奇心の種を育てる」こと。どんなに小さいことでも、友達との会話や日常の中で自分が興味を持ったこと、わくわくしたことを書き留めて自分の中でストックしています。今いる「YumiCoreBody」という会社も女性の健康と美を応援するということをテーマにしているのですが、この「健康と美」というキーワードがまさに自分がやってみたかったことのイメージと今まで興味を持ってきたことの蓄積から導き出されたキーワードだったんだなと今振り返ると感じます。

笹川:「好奇心の種を育む」、これもまた金言ですね。自分がやりたいこと、進む方向を探すというとハードルが高いけれど、「自分の好奇心、わくわくすること、得意なことがどこにあるだろう探し」ならできるかもしれない

長谷:友達とごはんに行く時にお店を選ぶのが好きとか(笑)、そういうところからでもいいと思います。書き出すことの粒度もバラバラで、キーワードとか概念とか、まちまちですよ。

小坂井:やりたいこと、と堅苦しく考えると結構難しいなと思っていて。やってみたら面白いかも、わくわくするかもくらいの気持ちが芽生えた時がチャンスかなと考えています。私の場合は小さくてもとにかくさっさと動きだしてしまうタイプ。社内異動を例にとると、面白そうな部署を見つけたらまずは人に話を聞きにいってみます。マネージャーではなくプレイヤーレベルの人にカジュアルに話を聞きに行くと自分の気持ちがわかる。わくわくすればラッキーで次につながるアクションを考えればいいし、わくわくしなかったとしてもまず小さい一歩を踏み出せた自分をいいなと思えればいいかなと。

笹川:一歩、半歩でも踏み出してみるかどうかで結果がゼロにも100にもなりますよね。小坂井さんは副業もされているんですよね?

小坂井:現在は第2子の育休取得中ですが、第1子の育休中に趣味のボードゲーム好きが高じて自分でカードゲームを作り、Makuake(クラウドファンディング)で販売してみたらありがたいことに目標を480%達成できたんです。その時にフィードバックをもらったことがすごく楽しくて、わくわくして。その実体験からもっと大きなことをやってみたいと思い、育休後に手を挙げて商品開発部に異動しました。

篠原:副業と本業が循環している、という例は増えていますね。稼ぐための副業というより、自分を見つけるため、やりたいことを見つけるための副業、お手伝いというのはわりとすぐ始められるのかなと思います。

笹川:長谷さんも、今お勤めのYumiCoreBodyは最初副業ではじめられたんですよね?

長谷:そうなんです。最初は副業とも言えないくらいの「お手伝い」で始めたのですが、前職が一旦自分の中で区切りができたタイミングだったこともあり、誘われて迷いなく転職しました。

笹川:「好奇心の種」で始めていたことが本業になったわけですね。

自分の可能性を拡げるために、ひそかに努力していること

笹川:皆さん、ご自身の可能性を拡げるために努力されていることが色々ありそうです。

梅田:コンフォートゾーンに居すぎない、ということは結構大事にしています。評価されると嬉しいし、それ自体がやりがいに繋がることもあるし、気合いを入れずにいられるコミュニティって安心するけれど新しい世界が見えづらいなとも人生経験の中で感じているんです。そういう居場所も大事だけど、仕事が楽だと思ったらストレートに上司に言っちゃうとか、新しいテーマを自分で探すとか、慣れ親しんだ人と何度も会うよりはいろんな人と接点・機会を増やすみたいなことを通じて新しいことに触れて、自分の感情がどんな時に動くかを試しています。

笹川:確かに、常に心地いい環境にいると急に頑張らなければならないシチュエーションに追い込まれたときに結構ハードルが高くなったりしますよね。

梅田:あまり(心地いい場所に)居すぎてしまうと出るのが嫌になってしまうし、心地よくないことが起こった時に手放したくないという気持ちになってしまうんですよね。だからそうなりすぎないうちに前へ前へ(進もう)と思っています。ただ、そういう場所が全くないと自信がなくなったり、頑張るエネルギーの原点がなくなってしまうので…バランスが大事かな。

笹川:しかも全然違う世界に飛び込まれていますよね。「飛込み力」があるというか。

梅田:プールの飛び込み台もそうですが、台の上から見下ろしているときが一番怖い。でも飛び込んでしまえばやるしかないし、終わったらやってよかったと思えることを実体験からわかっているので、「今が一番怖い時だから大丈夫」と思えます。やるしかない、と気持ちが変われば、「どうしよう」ではなく、ポジティブに「どう進めたらいいか」に思考回路も変わりますし。

篠原:よく言われることですが、まさに「やらなかった後悔よりやった後悔」ですね。今のところに居続けるほうが絶対楽だし、そうして先延ばしにしているうちに環境も時代も変わっていったりもするので、飛び込もうと思った時の意思決定力ってものすごく大事です。

笹川:篠原さんの飛込力もすごいですよね(笑)

篠原:そんなに飛び込んでいる意識はないのですが…同じところに居続けた自分を想像すると、停滞している自分、成長しない自分が見えて怖いんですよね。行動自体をポジティブにしようということは心掛けているかもしれません。

長谷:私が努力していることの一つは好奇心を大事にする、アンテナを張ること。もう一つは組織の中で自分が得意なこと、貢献できることを探して伸ばすということです。自分の強みというのは相対的なものかなと思っていて。チームにおける自分の役割を見つけて、そこに自分の強みを活かしていくというか。入り込んでいるときは認識できていないことも多々あるけど、後々プロジェクト単位で振り返った時に、見えてきた自分の強みを言語化しておくことは意識しています。

小坂井:私は少しでも興味を持ったことは足を運んで話を聞きに行く、ということを大事にしています。変なプライドは持たずに、新卒1年目の相手であっても相談するし、逆に自分ができることは還元できるように心掛けています。そうして相談する中で自分が悩んでいることが整理できたりもしますし。

篠原:メンターがいる方もいれば、いないから自分で探しに行くという方もいらっしゃいますね。何かしら行動してから決断に繋げている方が多いです。今は企業もいきなり面接というわけではなく、カジュアル面談やセミナーなど色々な接点を設けている時代。他社をみるといってもいろんな選択肢が増えているので、まず話を聞いてみるということが大事かもしれませんね。

転職を決断する時の「軸」、私の場合

笹川:転職する時の軸というのは人によって様々で、正解はないですよね。 

梅田:大前提としてこれまで人には恵まれてきたのですが、こと近くにいる人と転職・異動で一緒に働きたいということを軸にしてしまうと不確実性が高いですよね。なので仕事内容や事業の根幹で大事にしていることを重視して転職を決めてきました。事業に関しては、新卒のタイミングから一貫して「人の彩りをつくる仕事をしたい」という軸を持ち続けています。ただ仕事の内容に関しては大きな異動1回と転職2回で、それぞれ選択したことが結構違います。情緒的な価値に携わっているビジネスがいいな、というところは一緒なのですが。1回目は4年目の時、マネジメントの挫折を通じて人・組織を元気にする力をつけたいと思って転職か異動か悩みました。結果ご縁があって人事に社内異動ができてそれから6年、今度は人事が強い会社で学ばせてもらったことを世の中に価値還元していきたいという思いが大きくなってスタートアップに転職したのが2回目。そこで執行役員を経験し、人事をみながら経営にも従事したことで、人事のプロと経営・事業・組織を繋げることの非連続性を実感。ここにバリューを生み出すことにコミットできる環境に飛び込んでみようと考え、職種も経営企画にチェンジして、今に至っています。ただ一過性じゃないかということはよく考えています。過去を振り返って自分がどれくらい本気なのか、それなりに時間をかけて自分の気持ちと向き合ってから決断しています。

笹川:ご自身の武器をちゃんと手にしていった結果、自分だけのストーリーが生まれているように感じますよね。

篠原:目の前の仕事を一所懸命やっている中で、増やしたい武器が見えてくる。皆さん参考にしやすいのでは。

梅田:私のキャリアは山登り型ではなく、川下り型。放っておくと流されてしまうから、自分を振り返ろう、気持ちにふたをせずきちんと言葉にしてみようと思っています。

長谷:私も川下り型です。転職に関してはご縁に導かれるままに今があるんですが、そのご縁の意思決定を紐解くと1つが業界・領域に対する自分の興味関心とコミットしたいと思えるか、2つ目が身につけたい能力、3つ目が働く環境、人や福利厚生など。それを転職のたびに自分の中である程度数値化して決めていたのかな、とお話を聞きながら思い返していました。

小坂井:私の場合は社内異動なので、比較的環境を確認しやすい状況ではあります。なので先ほども話した通り、まずは動いて情報を取りに行くということを大事にしています。やりたいことはとにかくやってみる、みたいな感じです。

篠原:皆さん本当にパワフルで、こちらもモチベートされます。

笹川:明日から我々も頑張れそうですね。素敵なお話をありがとうございました!

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