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働く女性に役立つトピック

育休中に自信がなくなってしまったあなたへ〜"キャリア"の捉え方〜

【本コラムの担当と概要】 本コラムはNewMe編集部Risaが担当。新卒で大手金融機関に入社し、10年以上法人営業アシスタントとして従事。2度目の産休・育休取得、復職後、2019年より夫の海外転勤帯同に伴い休職。現在は滞在先のタイ、バンコクにて海外在住女性向けのコミュニティを立ち上げ運営をしている。 自分の仕事がなくなり、自己肯定感が低下する中、アイデンティティ・クライシスを経験。自分を見つめ直すためコーチングを学び、また様々なバックグラウンドを持つ女性たちとの交流で視野が拡大中。趣味は、毎朝1時間の運動とメディテーション、韓国ドラマ鑑賞。 今回は、筆者の経験からライフイベントにより仕事から離れている時期に感じる停滞感の正体の解明と、育休中、駐在帯同中と仕事を離れていても実は能力開発をしている、という視点を提案。女性にとって”キャリア”とは職場内外のすべて経験を含むという考察を綴っている。(コラム公開日:2024年6月28日)

CONTENTS

産休・育休を取得するたびに感じる大きなモヤモヤの正体

「キャリア」という言葉から、どんなことをイメージするだろうか?

会社の中での出世や、どの部署や職種で働いて“上“を目指していくのか、または、キャリアアップのために転職などをイメージする方が多いのではないだろうか?出世や昇進意欲が高くバリバリ働く女性のことを「バリキャリ」と言ったり、プライベートも重視しながら働くことを「ゆるキャリ」と言ったり、いずれにしてもキャリアという言葉から連想されるのは「仕事」や「出世」を表す時に使うことが多々ある。

私自身も会社に勤めていた頃は、人事部とのキャリア面談で定期的に、今後のキャリアプランについて丁寧なヒアリングを受けながら、自身の意思を伝えてきた。そして順当に昇級、昇格。そののち結婚して子供を授かり産休、育休を取得した。

キャリアを積む中で自分自身で選択した結婚・出産だったが、産休・育休から戻り直面したのは、自分が休んでいる間は昇級、昇格が止まるという当然かつ残酷な事実。改めて言葉にすると当たり前のことだが、いざ職場に戻り仕事に邁進しても、なかなか昇格の声が掛からない、給与が横ばいという事実に直面すると、頭では理解できるにも関わらず、心の中ではどこか晴れないモヤモヤを感じていることに気がついた。その大きなモヤモヤを抱えたまま時が流れ、2回目の産休、育休を取得するに至った。

2度目の職場復帰をしてみると、自分の昇級、昇進が止まっていたということをより如実に感じ、しばらく忘れていたあのモヤモヤと再び対峙をすることになった。この自分におきている感情に終止符を打つべく、セルフコーチングのようにwhy?の自問自答を繰り返し続けた。

その結果、わかったことは「昇級、昇進が止まった=職場にいなかった、働いていなかった=停滞していた」と、社内の人事システム上で見放されていると感じ、それに対する反発心がモヤモヤの正体だったということだ。

産休・育休取得中は決して停滞している訳ではない

お子さんを持つ方はみなさんお分かりだと思うが、産休・育休期間はただ休んでいる訳ではなく、育児という思い通りにいくことばかりではない毎日と格闘してる。正直、心の奥底には「産休・育休は停滞でもなければ、何もしていなかったわけではない!」という強い気持ちがあった。赤ちゃんが何を言わんとしているのか察する力、情報収集能力、赤ちゃんをあやしながら、やるべきことをリストアップ、優先順位付け、さらに時短の方法を考えるというマルチタスクスキルなど、書き始めたら切りがない。

大昔に「24時間戦えますか?」というフレーズで世の社会人を鼓舞するようなCMがあったが、まさにこの令和の時代でも育休中の女性(もちろん家庭によっては男性も)たちはこれを体現しているのである。このモヤモヤの正体がわかってからは、会社の自己評価シートに、退社してから翌朝職場に来るまで、こんなにたくさんの能力開発をしていることを入力し、さらには人事面談でも堂々と上司や人事部に話すようにしていた。直接評価に繋がらないものの、仕事と子育てを両立することに励む女性の実態を伝えることでそんな風える人もいるんだ、という印象を残せたと感じている。

夫の海外転勤に帯同したことで気づいた”人生全てを総称し「キャリア」と呼ぶ考え方”

そこから数年が経ち、またしても職場を離れる機会が訪れた。「夫の海外転勤」である。当時の私は、2人の息子の育児と仕事と家事とで日々の記憶がなくなるくらいの分刻みの生活をしており、いつまでこの生活を続けていけるだろうかと思うようになっていた。そんな中、飛び込んできた夫の内示により、社内の休職制度を利用して帯同することを決意した。

引っ越し当初は生活の立ち上げにてんやわんやしていたが、少しずつ新しい生活にも慣れ自分に余裕ができ始めた時「駐在帯同によるキャリアの分断に悩む女性が多い」という記事を目にした。その記事には、駐在期間は3〜5年が多い言われており、産休・育休の時よりも長い期間仕事から離れなければならず、自分が新卒から築いてきたキャリアを手放すことへの不安や、帰国後に仕事が見つかるのかという焦りを感じる女性が多いということが書かれていた。

では、海外でも仕事をしてみては?という意見もあるが、駐在地のビザによって就労可能かどうかが異なるため、ハードルが高いのも事実である。産休・育休の時と同様に、職場からは離れているが、海外に来て誰も知り合いがいない中でコミュニケーションを取り人間関係を0から築いていったり、その国に順応できるようまさに「習うより慣れろ」状態でまわりを見渡しながらバスの乗り方、買い物の仕方を学び、生きていくために英語や現地の言葉を習得したり、ここでもスキルアップが行われている。

そう考えると、女性の人生におきるライフイベントの中で職場、仕事から離れる期間があったとしても、それは何もしていない期間ではなく、日々しっかりと能力開発をしていて、職場外で培ったスキルを復職後に活かしていくことができるため、女性は自分の人生すべてを総称して「キャリア」と呼んでもいいのではないだろうか?

さらに、先の復職を見据えて職場外で高めた能力をしっかり言語化しておき、仕事に活かしていくことを意識すると、職場を離れていることの虚無感や停滞感は薄れ自分がいま行っていることに自信を持つことができる。
この視点を持っていると、仕事から離れることへの不安感などが軽減され、女性特有のライフイベントに左右されてしまうことも含めて前向きに歩んでいくことができるのではないだろうか。もし、いまこれを読んでいる方が、当時の私のように仕事を離れることで昇級、昇進が止まるという社内システムに何かしらの違和感を覚えていたら、自身がその仕事を続けることを「選び、決めている」という自覚があるかを問うてみてほしい。

自己決定感が高い人ほど、幸福度が高い傾向にあるという研究結果があるように、自分の選択が消去法や妥協ではなく、自らの意思がそこにあるかを都度を確認し、もし異なる仕事も視野に入れたいと思った時には、離職期間の長さや回数に臆することなく、「これまでの人生全てが自分のキャリアである」と自負し、視野を広げ、ご自身が望む人生を進んでほしいと願ってる。

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